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ちょっとしたことで、異次元に改善したレッスンの話。
レッスンに来たのは、息を下向きに唇から出しているがほんとは低位置タイプのトロンボーン吹き。
上向きに出したら、音量も音色も鳴りも正確性も、もはや完全に別人というほどにグレードアップという事象に接しました。
ミソは『息が上向きに出るようにした』ところで、それにより異次元グレードアップ(でもそれこそが実力)が起きたのだけど、息が上向きになったのは、
・唇の周りの筋肉をまず使う(力を入れる)練習をし
↓
・それにより口角が上向きに固定され
↓
・上唇が歯に張り付き下唇が前に出た
ということの結果でした。
そう、口角を上に引っ張れたことがポイントだったのです。口角は下向きに引っ張り固定するという話の方が馴染み深い人が多いでしょうが、低位置タイプはこれが逆なのかもしれない。
ちなみな口角が上がるので『にっこり』した表情になりますが、悪い意味のスマイルアンブシュアじゃないのです。スマイルアンブシュアは、口角を上か下かに引っ張る筋肉が使えてなくて口角が横に引っ張られている状態。表情とかスマイル的印象で判断すべきものではなくて、口角の固定という働きが効いているかどうか、というのが本質なのでしょう。
この、口角上向き引っ張りによる息上向きの確保による低位置タイプ奏者の演奏の大改善という流れは、この二週間くらいで急に分かるようになりました。
低位置タイプの不調の多くは、タイプが原因ではなく自分に当てはまらない話や逆の話を適用しようとすることが原因になっていることが非常に多いと思います。
BasilKritzer