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【腰が痛いトランペット奏者】
ある日のレッスンでこんなことがありました。
腹筋の使い方や息の吐き方も覚えて、だいぶ吹けるようになってきた女性アマチュアトランペット奏者。
その日相談されたのは、
『腹筋を使って吹くと音は出しやすいし良い感じだが、腰が痛くなってくる』
というもの。
確かに、普段の座り方を見てると、腰に負荷がかかりそうな感じです。でも、吹いているときはそうでもない。なんだか不思議ですね。
しかし、こここで気付いたことがありました。
吹いていないとき、ラッパのベルを膝に置きつつ、ラッパを握るというような体勢になっています。そしてそのときに、少しフニャンとした姿勢になっています。
…実は、ラッパを杖のように使っていて、体の力で姿勢を支えるのを少しだけサボっているのです。
吹くときはこの杖が外れるわけですが、姿勢維持のエネルギーを少し抜いたままトランペットを吹いていました。姿勢そのものは悪くないのですが。
それで、腹筋を積極的に使ったときに姿勢がズレて腰に負荷がかかっていたのでしょう。
対策は以下の通り。
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姿勢ウォームアップ
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①頭のてっぺんに両手を置く
②目線と顔の向きを前に保ちながら
③下向きに手から力をかける
④すると、体の中から押し返すような力を感じることができる
⑤その印象を思い出しながら吹く。
これで、腰がラクなりしかも音の鳴りと張りがすごく増しました。
『吹いていない体勢から、吹くモードへの移行』
これは様々に応用できそうな着眼点ですね。
Basil Kritzer