「呼吸の出入りの、ちょっとした話」 その6 ピップ・イーストップ著 バジル・クリッツァー訳

☆ロンドンのホルン奏者、ピップ・イーストップ氏の論文です。
原文→http://eastop.net/?p=476

呼吸について、もっとシンプルに考えてみると

 これまで、とても詳細に呼吸のことを見て行ったわけだが、ここで「うまくできている」と簡単に分かる、便利でシンプルな指標が必要になるだろう。幸運なことに、自分で自分の呼吸を照らし合わせチェックできる基準がある。
 見事に協調作用がとれて、深く充分な吸気を起こすやり方がある。この論文で吸気に関してこれまで書いてきことを全てカバーし、意識的な思考の干渉を受けないやり方である。

 「あくび」である。あくびは、私たちにとっての、素晴らしい個人教師なのである。

 あくびから学ぶには、とても眠いときに少なくとも上半身はだかで、全身を映す鏡の前に立ってみるといいだろう。体に起こる動きの順番を観察しよう。そうすれば、気持ちいいあくびのときに、次の事が全て起こるはずである。

横隔膜が下に降りてくるとともに、お腹が前へ膨らむのを感じよう。
どのように背中が真っすぐにされ(前述の横隔膜脚の働きに依る)、どのように先に述べた理想的な位置関係に頭の位置が脊椎の一番上へ動かされることに気付いてみよう
これらのことが全て、どのように胸が目一杯満たされ広がることを可能にするか、気付いてみよう。胸骨が前へ上へ動くのであるーちょうど、そうしてはいけないと教えられてきたように。
どれだけ、気持ちが良いことか、感じてみよう!

なんやかんやと書いたわけだが

 これだけ延々と呼吸の仕組みについて述べてきたわけだが、ここでわたしは、わたしたちは音楽を演奏するのが役目であり、それに集中すべきだ、ということを強く言いたい。音楽とは、ここまで述べてきた仕組みとか働きとかの総体とは別の次元にあるのだ。呼吸の良い習慣を作る事は、手段であり、目的ではないのだ。

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