ブログを読んで下さっている、enpitsu さんからメールで質問を受けました。
enpitsu さん
はじめまして、こんにちは。バジルさんのブログをいつも参考にさせてももらっています。私はホルン歴5年目の高校2年生です。最近、音が揺れることに悩んでいます。元々安定していると言えるような音は出せていなかったのですが、最近になって酷くなりました。原因は、どうやら吹いているときに顎が揺れているようです…。(顎がゆれるというか、口の周りの筋肉が勝手に動くと行った方が近いかもしれません。)緊張しているわけでもないし、特に何かした心当たりもないのですが、いつも揺れてしまいます。どうしたら改善できますか?アドバイスお願いします。
バジル
こんにちは。マウスピースを押し付けないようにしよう、としていますか?
enpitsu さん
押し付けないようにはしていません。逆に吹きやすい音域でのロングトーンでも跡がくっきりついて困っています…
バジル
跡が付くのは、肌の体質のこともあるので、押し付け過ぎとは限りません。
まず試してみて下さい
– 息は上に吐くイメージ(楽器に吹き込む、ではない)
– 腕で楽器を操作しているという意識。腕で楽器を動かして、ちょっとあえて楽器を自分の方に持って来て、すこしだけプレスを増やしてみる。
enpitsu さん
そうなんですか!跡が付くのは悪い事だとばかり思ってました(´・ω・;)
息を上に吹くイメージとは、自分より上の方にむけて吹くイメージですか?
バジル
いえ、自分の中を上の方に息が流れるイメージです。
実際に口の天井の固いところに当たって行きは前に流れて行きますので、
口の天井の固いところまで息を送り上げるつもりでやるといいでしょう。
enpitsu さん
実際に意識して吹いてみました。
自分の中の上の方に息を送るイメージはしたことがなく、新鮮でした。
不思議とどの音も吹きやすくなり、
特に高音の音色が変わったような気がします!
まだ初日なので、毎日これを意識して行きたいと思います。
アドバイス有難うございました!
ずうずうしいのですが、楽器のメーカーについて気になることがあります。
もう1つ質問してもよろしいですか?
バジル
さっそく効果があってよかったです。
メーカーのこと、さほど詳しくないですが、どうぞ。
enpitsu さん
私はMy楽器を昨年の5月に買い、今は1年と3ヶ月間使っています。A社の楽器を使っています。
ある日、同級生のホルン吹きと楽器を交換してちょっと吹いてみました。
同級生はB社の楽器を使っています。
自分の楽器よりとても息が入りやすく感じました。
毎日吹いている楽器よりこんなに吹きやすいなんておかしいな、楽器の特性かなと思い、調べてみると、
・A社の楽器は太ベルなので肺活量がいる。
・A社の楽器はパワー系の奏者向き。
と書いてある記事を見ました。
楽器を購入する時はB社やC社の楽器などの試奏もさせてもらい、A社が吹きやすかったので、これにしたのですが、私は長い音や大きい音を出すのが苦手で、自分にはA社が合っていないのかな、と落ちこみました。自分の吹き方やアンブシュアがおかしくなったのか、理由は分かりませんがA社を吹き始めた頃より息が入りづらい気がします。
B社を吹いた時は安定した音が出せました。ちなみに後輩の使っているC社でもA社よりは吹きやすく感じました。楽器との相性が悪いかもしれませんが、私がA社を使っていても
安定した響きの芯のある音を出せるようになるのでしょうか?
バジル
B社やC社は「吹きやすさ」に関してはとてもうまく作られています。
でも、より深みや発展性があるのはA社だと思います。
これから10年吹き続けることとか、そういう長い目で見ると
A社でよかったんじゃないでしょうか?
太ベル細ベルの違いは音色や音程のコントロールにおいてありましが、
どっちにしても吹きやすい楽器と吹きこなすのに年月がかかる楽器とがあります。
楽器との相性というものは、奏法が確立されてくるとあまり関係なくなります。
せっかくA社を持っているのですから、「もっとよい楽器があるかも」と不安になるより、
そのA社で良い音鳴らし、使いこなしていくことに専念してみるとどうでしょう?
それで数年してうまくなってきたら、きっと逆にA社が気に入るようになりますよ。
enpitsu さん
なるほど、バジルさんの話を聞いて安心しました。
これからもっと練習して、ホルトンを吹きこなせるようになりたいと思います。
もし、高校を卒業してホルンを吹く機会がなくなり、
ホルンを吹けるのがあと1年だとしたら、
その1年で上達するのは可能ですか?
バジル
もちろん!
高校の1年は長いですよ。
でもせっかく楽器持ってるなら、続けたいですね (^_^)/
卒業してからも続けたら、そっから先がどんどんうまくなりますよ。
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はじめまして、こんにちは。バジルさんのブログいつも拝見しております。私は岩手県でホルンを吹いている高校一年生です。
ホルンは中学一年間から始めました。中学生のころから音が揺れることに悩んでいます。中学生のころは「たくさんロングトーンをしたら直るだろう」と信じ込み、毎日やりましたがあまり改善しませんでした。そこでさまざまな方法を調べているうちにこのページにたどり着いた次第です。しかし、僕の場合はenpitsuさんとは違い、顎や顔など、体のどこかが揺れている様子はありません。先輩に「息が揺れている」と言われ、意識をしてみましたが、まっすぐ息を出す感覚がわかりません。何が原因なのか教えて欲しいです。
具体的な揺れ方は、伸ばしていくと速いペースで音程が上下するといった感じです
。アンブシュアのタイプは超高位置タイプで、呼吸法もバジルさんのブログを参考にしているので抵抗がある感じはしません。
q-cumberさん
その先輩に言われる前から、音揺れは自分で気にしていましたか?
音聞かないと、どういう揺れか分からないので、一応最初にそもそもその先輩の言っていることを気にする必要があるようなことなのか、
という点がまず気になりました。
実際に気にするほど変な揺れがあるとすれば、演奏を見ても聞いてもいないので、「揺れます」という報告だけでは、
状況の推測も原因の分析もできません。すみません。
一点あるとすれば、
・ロングトーンのときに拍数は決めているか?
→決めていないなら、決めよう。それだけで最後の方の揺れが改善するかもしれない。
・決めている場合、長すぎないか?
→息がしんどくなるくらいロングトーンする意味は、なんだかその練習が個人的に合っている人以外、特にありません。拍数を短くしてみましょう。
・そもそもロングトーンの練習が多すぎないか?
→曲、エチュード、音階、アルペジオ。それらよりロングトーンを多くする意味や必要も、特別それが合って良い手応えを得ているのでもなければ必要ない。
Basil
ご返答ありがとうございます。そして、言葉足らずな質問ですみません。
中学生のときにチューナーをつけて吹いてみると、だいたい上下20セントぐらいの範囲で動くのを見て、その時に気がついたので先輩がきっかけというわけではありません。
しかし、今バジルさんに言われて必要性を考え出すとわからなくなってきました。今、トップを吹いている先輩のアンブシュアが中高位置タイプで、かなり丸い音を出す方なんです。私は超高位置タイプでして、強い音のようなものが得意です。だからといってトップを無視するわけにはいかないので、音質をよせようと試みるのですが、そうすると1人で吹くときよりも激しい揺れが起きるようになりました。
ロングトーンの長さですが、中学生のときは部活でテンポ60を8拍と決められていたのでそれをしていました。高校に入ってからは中学生のときにあまり成果を感じられなかったこともありパートでやると言われたときしかやっていません。そのときはテンポ60で4拍です。息が足りなくて揺れるという感じはありません。揺れの開始はテンポ60の2~3拍目からすでに始まっています。
今までロングトーンやらなきゃいけないのかなとうすうす思いながら他の練習をすることがストレスだったので、あってなければいいと言われて安心しました。ありがとうございます。
q-cumberさん
やはり、まだどういったことが起きているか、結果として2拍目から揺れるという症状以外には書いていただいたことからは分からないので、
何が起きていてどういう原因がありえそうかは実際に吹いている様子を見ないと分かりません
ひとつ言えることは、
>>音質をよせようと試みる
これはさほど必要ではないだろう、ということです。
プロのオーケストラでも、よほどセクション伝統のサウンドがあるとか、あらゆるトップに対して柔軟に寄せて影になれることを持ち味とする2番吹きとかでもないかぎり、さほど自分の音質に首を突っ込んで操作することはありません。
たぶん、考えすぎになっていると思います。
やるとしても、あくまで右手をちょっと被せ気味にする程度(合奏のときだけ)にしておいてみてはいかがでしょう。
自分の吹き方のまんま、思いきって吹くようにしてみるともしかしたら何か改善するかもしれません。
音質を合わせる、などという抽象的なことを自分の奏法を混乱させてまでやるのは、あまり得策ではないと思います。
Basil
上手く説明できなくてすみません。でも説明できないということを通して、症状の分析が十分でないのかもしれないと、思い直すことができました。もう少し向き合ってみようと思います。
音質をそこまでいじらないほうがいいというのはわかったのですが、その状態だと本当に合わないのですが、大丈夫なのでしょうか。いくら自分の吹き方を大切にしようとしてもそこが不安でどうしても思いきれません。どのぐらいの音質の差があるのかは上手く説明できないですが、何か前向きに捉えられることはないでしょうか。わかりにくい希望で本当にすみません。
q-cumberさん
うーん…
「本当に合わない」というその状況を実際に見聞きしていないので、何がどう合っていないのか具体的に分からないのが悩ましいところです。
経験上、これまでその「本当に合わない」というような相談をされても、実際に聞いてみる、気にしすぎ、もしくは合わないと思っている事柄の勘違い(本当は音質じゃない何か別のことが問題)だったっていうことがかなり多いんです。
とくに中高生はその傾向が強い。
本当に音質なのか?
実は音程じゃないのか?
音質の問題でなくて、実はアーティキュレーションなど吹き方のニュアンスじゃないのか?
ホルンや金管の専門家がホールで聞いても本当に「音質が合っていない」と思うのか?
などなど、まだまだ結論を出せません。
最終的に合っていないのが音質だとしても、それを近づけるには
・ベルの中の右手の使い方(ただそ、2番ホルンとして相手に寄せるためだけ。個人練習や基礎には持ち込まない)
・楽器やマウスピースの選択(これも、自分の奏法にとって負担になるような選択は、プロオーケストラに入ったのでもない限り決してすべきでない)
くらいしかありません。吹き方をいじるのは、ロクなことになりません。
Basil
あまりにも縦に長くなってしまったので、こちらから失礼します。
音の揺れも、合わないということも通して、現状の把握が甘いことが思い知らされました。何が問題なのかを見直す必要がありそうです。
合わないということに関しては、先輩から日々言われてきたのは、問題点がかなり曖昧な指摘だったのだなと思い直すことができました。改めて先輩と話をしてみたり、有識者の意見を仰ぐなりして、なぜ合わないのかを探っていこうと思います。
図々しいのは承知の上ですが、合わない理由が音色だったとき、ニュアンスだったときの対処法も教えて頂きたいです。さまざま試してみてまとめていきたいのでお願いします。
q-cumberさん
間違えた、「音色」じゃなくて「音程」です。
音程にせよニュアンスにせよ、現状の把握と理解なしに「対処法」を導き出すことはやりづらいですね。
そして、現状の把握と理解というのは、「ああ吹きたい、こう吹きたい」という「望んでいるもの」があるから、それとの関係で、
「いまはああなってる、こうなってる」というのが分かるのです。
ということは、立てるべき問いは、
『自分が二人で奏でたい音と音楽はどんなものだろう?そしてそれは二人でどうすれば作り出せるだろう?』
というものです。
そのなかで、ああしてみようこうしてみよう、という工夫や実験があるのであって、
「対処法」という考え方はちょっとちがうかなと思います。
Basil
なるほど、目標をさだめて、それに近づく方法を模索するということですね。話し合ってまずは目標を一つにしてみたいと思います。ありがとうございました。