【質問者】
バジル先生、初めまして。
いつも楽しくFBやブログを読ませていただいています。
27からトランペットを初めて10年が過ぎました。
学生さんのように長い練習こそ出来ませんが、少しずつ吹けるようになって、今は自分の所属する北海道の市民団体で、多くの仲間と吹奏楽を楽しんでいます。
ところで最近、とても上手な後輩が入って来ていろいろ指導してもらっていますが、このブログにあるように「息の圧力が足りない」「息が入っていない」とよく言われます。
実は昔、息が入り過ぎてオーバーフロー気味な音になってしまい「息をコントロールしなさい」と言われていました。自分ではコントロールしていたつもりが、逆に息を入れなくなってしまい、とても細い音になっていたようです。
そこで、今度は息を入れるように心がけ始めたのですが
1.苦手な音域(上も下も五線外の音)になると、突然楽器が詰まったかのように息が入らなくなってしまうことが多い。
2.合奏中歌うように意識して、周りの音も聞きながら、息を入れるように吹いているつもりなのに「響きが低い」「音程が低い」と言われる。実際に録音を聞いても、音がぶら下がっていたり、完全に周りとの音程があっていなかったりします。
チューナーで合っている音を吹いてもさ「低い」と言われてしまい、
「速いスピードの息を入れたら高くなる」と言われても、息を入れる事が出来ず。入ったとしても、自分ではいい音が鳴っているとは思えません。
何をしていいのか、全く分からなくなってしまいました。
何か、イメージ不足なのでしょうか?
アドバイスいただけたら幸いです。
【バジル】
はじめまして。
まず「息を入れる」というのは、「息を吐く力を強めることで、息の圧力を高める」ことを実現するためのイメージ上の比喩です。
実際には、楽器に息はそんなに入りません。
お悩みの「2」は、「息を楽器に入れよう」とすることで、口が開いて音程が下がっているのだと思います。
そして「1」も、楽器にあまり息は入らないのに無理やり入れようとしているからかもしれません。
「息を入れる」とイメージするより、
「息を使う」
「積極的に歌う」
という言葉で考えてみるとどうなるでしょうか。
ほんとなら、息をコントロールの対象として意識することすら、余計な緊張を生み出す要因となります。
1:音楽で心の耳をいっぱいにして
2:マウスピースを口につけて
3:そのままエイっと歌ってみる
ことの繰り返しのなかで、息も口も、自然かつ自動的に、やりたい音楽を実現できるようにすべく変化し上達がだんだんと進んでいきます。
もしあえて息や口のことを意識するとすれば、
・マウスピースを口にしっかり密着させ続ける
・口は、しっかり閉じ続ける
・息を吐く力のメインはお腹を凹ませる/絞るような力
・トランペットの場合は、舌がいろいろ動いてくれるおかげ(位置ではなく動き)、息にさらに圧力がかかる
・息の目的地は、唇の先端まで。それ以上先や下にまで息を吐こうとしなくていい。全体的には、息は肺から口先まで斜め前上方向へと流れている
といったことになろうかと思います。
【質問者】
早速のお返事、ありがとうございます。
とても分かりやすいお返事をいただき、イメージしやすくなりました。
先生にいただいた中でパッと、自分が不足しているなと感じるのは
「口を閉じる」と「舌が動くおかげ」をイメージする事です。
今までは、マウスピースを当てているんだから、口は「閉じている」と勝手に思っていましたし音が出ているんだから、「舌は動いている」と思い込んでいました。
ですが、よく観察してみると(今日は楽器は吹けなかったので、マウスピース練習だけでしたが)
・口を閉じる力を使っていない
・息をたっぷり入れようとして、口の中を広げ過ぎている(舌が下がり過ぎている)
ことに気付きました。
息については、実際に楽器を吹いてみて観察してみたいと思います。
明日は吹けますので、また、良ければご相談に乗ってください。
ありがとうございました。
こんにちは。ホルン歴2年の高校2年生です。
私は先日の合奏レッスンでマウスピースで音程をとる練習をしなさいと言われました。それで、今も続けてるんですが、アンブシュアが悪いせいで全く音程が合わないし、この吹き方でいいのかなと思ってしまいます。それにも深い理由があって、
トロンボーンの友達に
吹く時に下唇の内側が出てきてしまうのは良くないと言われました。そこでホルンとトランペットの先輩に相談したところ、それは人の口の形があるからしょうがないと言われました。
出てしまうのはあまりよくないですよね?
教えてください。ら
塩田さん
めくり出された見た目になることは、基本的には心配ないと思いますが、
マウスピースのリムが、唇をめくり出した内側に入り込んでいくのは損をしている可能性が高いです。
「口を閉じ、ちょっとだけアンブシュアに『音を出しているときに力』をあらかじめ入れておいてからマウスピースを口に当ててから、音を出す」
ということを取り入れていくと、これは修正されていき、わりとすぐ効果が感じられると思います。
詳しくはこちら:
http://basilkritzer.jp/archives/7477.html