教わった奏法に取り組んでいたら音がでなくなってしまった….どうしたらいいの?

高校生ホルン吹きの C さんから、ご質問頂きました。

【質問】

こんにちは。

最近、ホルンの先生からハイトーンについて次のような指示を、うけます。

1.唇を分厚くする
2.口の内積を狭くする

1は、なんとなく分かって来たのですが、

2番目がなかなか、うまくできません。

頭では理解しているのに。

何か上手く習得する方法はないのでしょうか。

ハイFまで、鳴ってた自分が消えて、ハイB♭もろくに鳴らせなくなり、とても困っています。

よろしくお願いします!

【回答】

まず、奏法はプラモデルの「ピース」のように「置き換える」ような感覚で変えようとすると、今回のように、吹けなくなってしまうことが多いです。

単純に言えば、1.に関しては、必要な量の何倍もやり始めている可能性が考えられます。

意識できそう、やれそうなときに、「少しだけ分厚くしてみよう」という程度から取り入れるといいかと思います。

ひとまず、前の吹き方に心置きなく戻しましょう。すぐハイFも鳴ります。

それで、マイナスにならない範囲=プラスにしかならない範囲で、「唇を分厚く」してみるのです。

たぶん、動きとしてはほんのちょっとだと思います。

2、に関してですが、これはベロがやってくれます。

「アー」や「オー」の方が、「エー」や「イー」より口の容積が広いでしょう?

これは、舌の動かし方がちがっていて、舌の形を「動かして」いるのです。

エーやイーの方が、舌の奥の方を上げているのが分かりますか?

容積で考えるのもひとつの手ですが、「ベロを動かして形を動かすことで、口の容積を変えて音の高さを変える事ができる」というふうに、「ベロを動かす」という「動き」を中心とした方向で考えるのもよいかもしれません。

容積やポジションで考えると、身体を固定してしまいがちなので、動きで考えることをオススメします。

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教わった奏法に取り組んでいたら音がでなくなってしまった….どうしたらいいの?」への5件のフィードバック

  1. 自分は楽器を演奏しませんが、いつもバジルさんのブログ、拝見しています。 本当に生活の中の動作に役立てています。 
    そんな中で武術家の甲野善紀さんととても共通を参点があるなあと思いメール書きました。 これからもブログを参考にさせてもらって自分の中の発見をふやしていきたいと思います。   

    • シンプルさま

      はじめまして!

      楽器演奏以外にもわたしの書いている事が役立っているのを知れて嬉しく思います。

      甲野先生の著書、昔読みあさりました♪

  2. はじめまして。
    以前バジル先生に一度だけアレクサンダーテクニークの体験のご指導をしていただいたものです。

    それ以来先生のブログなどをのく拝見させていただいてます!
    私はホルンを始めてやっと一年たつものなのですが、力んでしまう癖というもを無くさなければこれ以上音域広げられないのかなととても不安です。今はチューニングΒ♭の上のAがようやく当たる確率が当たってきた感じなのですが、やはり力むとFですら力の入った辛い音になってしまいます。

    前の記事も参考にさせていただいたのですが、何を注意すればよいでしょうか?息を吐くのも下手で知り合いからは燃費の悪い車と表現されています。

    コメント急にすみません。

    • ぴよひこさま

      おはようございます。

      まず「力んでしまう」ということについて。

      力みは、

      ・やろうとしていることが必要としている力より「少ない」力
      ・やろうとしていることが必要としている力を出すべき場所と「ちがう場所」の力
      ・やろうとしていることが必要としている力を出すべきタイミングと「ちがうタイミング」の力
      ・やろうとしていることが必要としている力を出すべき時間と「ちがう時間(長過ぎる/短すぎる)」の力

      を使っているときに起きます。

      「力の入れすぎ」で起きるものではないんじゃないかと、わたしは最近考えています。

      なぜなら、力を入れ過ぎても、場所とタイミングと長さが合っていれば、それは思っているより高い音や大きい音が鳴るだけで「力み」にはならないはずだからです。

      また、必要より「少ない」力でやろうとしていると、身体の他の場所が補おうとするでしょうから、これが「力み」になります。

      ですから、「力を抜こう」というアプローチはなかなかうまくいかないのです。

      代わりに、

      「やりたいことをやるために、やる必要があることを探る」

      という考え方の方がよっぽど楽しいしかつ成長につながると思います。

      というわけで高音にチャレンジするときは

      ① 頭を動けるようにしてあげて
      ② そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
      ③ 楽器を動かしてマウスピースを自分の方へと向かわせ、リムをしっかり口にくっつけて
      ④ そのあとはじめて口を閉じて(アンブシュアを用意して)
      ⑤ お腹を積極的に動かして息を口の天井の硬いところに当てるようなつもりで吐いて(絞る/凹ますような動き)
      ⑥ 音を鳴らす

      ということを試してみてください。

      その際、上の音に向かうにつれて、原則としてクレッシェンド気味にしましょう。音量がしぼんでしまうのに無理やり出そうとすると、望んでいるような吹き方の練習にはならないので。

      燃費の悪い車だなんていう知り合いには、あまり演奏のフィードバックを求めなくてもいいような気もします(笑)

      ではでは、お役に立つ事を願います。

      • 細かな返信有難うございます!

        提案していただいたこと注意してみます。

        喉に力が入っていると、音色もきたなくて、暖かい丸い音がなかなかでないなと思っておりました。

        これが自分の音色なのかと諦めかけておりました。

        最近過去の先生の記事等を見て気を付けてみたら少しホルンらしい音が出たような気がします。
        本当に有難うございます。

        また行き詰まったらご相談させていただきたいです。

        有難うございました!

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