意志とタンギングが一致しない….どうしたらいいの?

プロのユーフォニウム奏者の C さんよりご質問頂きました。

【質問】

おはようございます。お元気ですか!

メルマガいつも楽しみにしています。

さて、一つ、ご質問があって連絡させていただきました。タンギングの問題です。

イマイチ、タンギングの使い方が、意志と一致がしないのです。

最近は前歯より、唇そのものに着いた方がいいかなと思う事があります。

プランは二つ用意しています。

一つ、明確に舌を付く場所を決める。
二つ目、舌は意識しない、TまたはDの発音を話すようにするだけ。

このような感じなのですが、ピアノの鍵盤を押すような感じでタンギングが自由にできたらなと思っています。

何か良いプランがありましたら、アドバイスよろしくお願いいたします

【回答】

Cさんが基本的にプロとしての演奏技術を持っておられることを考えると、タンギングのやり方自体に大きな問題やズレがある可能性は少ないので、そういう前提で考えてみての提案をします。

技術が高いひとであればあるほど、テクニックの仕組みややり方が問題なことより、考え方/イメージの作り方において、より精度を高めることで解決や向上が生まれることが多いです。

一つ目のプランが「イマイチ」感につながるとすれば、「場所」で考えていることかもしれません。

ご存知の通り、「ポジション」で考えたりイメージすることは、動きの中にあるダイナミックシステムである身体に対し、スタティックシステムを当てはめようとしており、そこでズレが生じます。

したがって、「どのように舌を『動かすか』」で思考/イメージするとよいかもしれません。といっても、「正解の動かし方」を探す必要があるわけではなく、

「どんなふうに舌を動かしているかな?」という問いかけで観察し、
「どんなふうに舌を動かしてみようかな?」という問いかけで分析・実験をする。

そのように「問いかけ」を用い始めるだけでもずいぶん動きが整理され、意志と一致してくるかもしれません。

2つ目のプランが「イマイチ」感につながっているかもしれない理由は、「〜しない」「〜だけ」という否定・限定思考を用いていることです。

これもご存知の通り、身体運動システムにはあまり伝わらない思考です。意識しないようにするには、一度意識したものを打ち消す手間があります。「〜だけ」動かそうとすると、その周辺を「固定」してしまいやすくなります。

したがって、

「話しているときは、どんなふうに舌が動いているかな?」
「話しているときの、あらゆるタイプの発音が使えるかな?」
「なかでもユーフォニウム演奏に相性の良い発音があるのかな?あればそれを「選んで」使ってみよう」

こういう問いかけが、新たな情報をもたらし、気付きにつながって、イマイチ感が「これだ!」感に変わってくるきっかけになるかもしれません。

ぜひ試してみてください。お役に立つことを願います。

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意志とタンギングが一致しない….どうしたらいいの?」への2件のフィードバック

  1. こんにちは。
    ホルンを吹いている高校3年生です!

    わたしのパートは3年生がわたししかおらず、1stを吹いています。

    コンクールまであと1ヶ月ですが、最近顧問の先生から高音を吹くときにプレスしすぎだと言われるようになりました。

    楽器は高校に入ってから始めました。
    今更になってしまいますが、高音をあまり力をかけずに出す方法または練習はありますか?

    曲ではハイDあたりまでをよく使います。

    できたらでいいので、答えお待ちしております。

    • まなみさん

      はじめまして。

      高音を吹くときは、プレスも必要ですし、口を閉じる力も、息の力もかなり必要です。

      「プレスしないようにする」
      「なるべく力を抜いて」

      という意識は、ほとんどの場合、むしろ吹き方を見失いやすくしてしまって、余計に力が入っちゃうことも多いようです。

      わたしのお勧めは、以下のように意識して取り組んでみることです。

      ①楽器(マウスピース)を自分方向に持ってくることをしっかり気をつける。

      ②口の天井を舐めてみてください。硬いですね?そこに息を当てるつもりで、吹きます。つまり息を出す方向は斜め前上です。

      ③息を吐くとき、お腹をへこます/絞るような感じで、積極的にお腹を動かしましょう。

      ④口は、思い切ってエイと閉じちゃいましょう。唇は、マウスピースの中に向かって少しだけ前方向に動かすことを意識してみるとよいでしょう。

      ⑤プレスは、むしろしっかりグイグイやりましょう。ただし、マウスピースを口に向かってプレスするようにしましょう。

      これで試してみてください。

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