思考は筋肉的緊張に翻訳される

2010年、5月1日〜5月5日まで、BODY CHANCE のアレクサンダー・テクニーク・フェスティバル合宿に行っていました。ゲストの一人として、アメリカからミード・アンドリュースさんが来てくれました。

そのミードさんのクラスの中で、ホルン演奏を見てもらいました。大きな収穫がありました!

30人以上が参加しているクラスなので、そこで立候補して立ち上がって人前でホルン演奏をするのもなかなか勇気が要るんですが、当然自分の習慣的な反応をその状況に対してしてしまいます。

それを見ていたミードさんがくれたフィードバックがとても大きな発見につながりました。

まず分かった事は、「腰椎を少し前に押して固める癖」があった事。

これまでも、全体的に背中を少し反らし気味にし、肩甲骨を互いに近づくように引っぱり、少し胸を張るかのような癖があるのは気が付いていました。

しかし、そこに「腰椎を前に押し出して動きを止めている」という情報をもらったことで、背中を反らす習慣的なパターンの中の大事なピースが見つかり、パターンをとり全体的に明確に認識できました。

それで、それをやっているときやっていないときの思考・精神状態を比較してみると、とても重要なことがわかりました

背中を反らして胸を張る癖の背後に、「正しくやらねば」「間違ってはいけない」というタイプの思考があったのです。

これが習慣的な動きのパターンの原因でした。

だから、「正しくする」「間違ってはいけない」という考え方を手放す必要があるのが分かりました。

だって、正しくやろう&間違わないようにして、身体を固めてたら、それは演奏のための身体の動きの効率を損ね、結果的にミスを誘発するようになるのですから。

「目的」に至ろうとして、結果的には「目的から外れるようなこと」を無意識的にやっていたんですね。

それからここ数日間、「結果」ではなくもっと「プロセス」を練習中に意識するという実験をしています。

音が思い通りに出たか出なかったかは、やってみてのお楽しみ。

だから、

もっともっと、「音を考える事」や、「自分の思考状態」「自分の動き方」、「自分のいまいるこの場所」に注意を払っています。

そして、「正しくやらねば」「間違ってはいけない」式の思考と身体の動きの癖が出てきたの気が付けば、それに NO と考え、演奏のためのプロセスにYES と考えます。

すると、随分吹き心地が楽になってきた!

「正しさ」の追究に過剰な緊張や努力が結びついていたんですね。

だから、「正しくあろうとすること」と共に、「過剰な身体の緊張や筋肉の努力」も解放されると、どこか間違ってるようにも感じる…

そこが面白いところです!

そういうときは、出てる実際の音を聴いたり、以前難しく感じていたフレーズを吹いてみたりします。

自分の選んだ新しいプロセスが、客観的な結果としてはどうなのか、それで分かる部分があるからです。

そうすると、音は響きが増してるし、楽に吹けるし、難しかったフレーズも以前より吹き易くなってる。間違った「感じ」があっても、こういう「結果」が見えれば、この方向に進んでいいんだ!というのが分かります。

今回の合宿は、実に為になりました。

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