変化のための9つの要素をこれから順にホルン演奏と関連させて見ていきます。
まずは、情熱・意欲・望みです。
これは、有るか無いかのどちらかです。
なければ、何も起こりません。変化・変容のプロセスをスタートさせるエネルギーが、情熱や意欲、望みだからです。
ただ、本当にこのエネルギーを持たない人は、ほとんどいないでしょう。
ましてや、この稿を読むところまで興味や関心を持っている人は、必ず背後に変化や変容、上達・成長・向上を望むエネルギーがどこかにあるのは間違いありません。
重要なのは、その自らの望みや情熱を認識することです。
まず、多くのひとが「もっとうまくなりたい」と思っているのは間違いないでしょう。
では、その気持ちが自分の中にあるとして、それはなぜか自分自身に問いかけてみて下さい。
その答えに否定的な言葉が浮かびあがってくるでしょうか?
たとえば、「一緒に吹く仲間に迷惑をかけてはいけないから」「全然思い通りに吹けないから」「うまくならないと、オケに入れないから」etc..
何か心配や焦燥感や自己否定の色合いを帯びたものであれば、それはそれは自分の情熱や望みがまだまだはっきり認識されていないということです。
人間は、ある意味「必ずやりたいことをやっている」「全て自らの選択である」とも言えます。
例えば、「嫌な仕事を無理矢理している、本当はやりたくない」と思っているとします。
でも実際は、「その仕事をやる」という意欲があるからやっているのです。
その背後には「家族を養う」「自立を保つ」「責任を全うしたい」というようなもっと深いレベルの大きな望みがあるから、仕事をするという行動が可能になるのです。
ホルンでも同じです。
「他人に迷惑をかけてはいけない」「ちゃんとしなきゃいけない」「吹けないのはマズい」
本当にそんな理由で練習するのですか?うまくなろうとするのですか?
そんなハズはありません。
背後にもっと根源的な望みのエネルギーがあります。
それが動力なんです。
ひょっとしたら「仲間と音楽を共にしたい」という深い想いがあるのかもしれません。
「いつかあのソロを気持ちよく吹けたらな?」という楽しく純粋な願いがあるのかもしれません。
ですので、「自分の望みは何だろう?」と問いかけたときに、
ネガティブな感じの答えが出てきたら、それを良いきっかけにしてまず肯定的な表現に置き換えてみて下さい。
それだけでも良いエクササイズになりますよ?。
また、例えば、「思い通りに吹けると気持ちが良いからうまくなりたい」という答えが浮かび上がってくる人は、今度は思い通りに吹けるとしたら、それを通じて何を実現したいのか?、それを考えてみて下さい。
自分の魂に何か燃えるものがあるのでしょうか?
その炎を他者と共有することに、自分を超えた生きる力が隠れているのかもしれません。
ある日素晴らしい演奏を聴いて、そこからホルン演奏にのめり込んでいった人も多いでしょう。
では、あの日あの時、一体あなたの中の何が、それほどの共鳴をしたのでしょう?それはあなたの人生にとって何を示唆しているでしょう?
決して大げさな話ではありません。
音楽はそれほど根源的なものです。
想像してみて下さい。
もし毎日毎日、ホルンを演奏する全ての瞬間にその根源的なものを感じていられたとしたら
モチベーションは無限大になりませんか?
もうひとつ、考慮する価値のあることは、熟達・習熟への欲求です。学習欲求とも言えるでしょう。
人間は、学習のキャパシティが動物よりも格段に大きいです。脳の新皮質がものすごく発達していることと関連しています。
学びはもちろん、生存や繁殖のためのツールになりますから、そういう本能的欲求とも関連するでしょうが、ひょっとしたら人間は「意識的な学習」そのものを、本能的欲求と同レベルの強い欲求として持っているのかもしれません。
実際、近年の心理学や行動科学の知見では、人間に「習熟・熟達のための欲求」がある事が分かってきています。
「オタク」や「マニア」になるエネルギーがこれかもしれません。
経済的に、あるいは実際的にプラスになるかマイナスになるかというのとは別次元で、人間は「学ぼう」とします。「うまくなろう」とします。
わたし自身が、こういう面があります。
「ホルンがうまくなる」その過程がたまらなく面白いのです。学習や上達のメカニズム、上達が起きる瞬間の経験、それが実に面白くて、やめられなくなっています。とにかく、「ホルンに習熟したい」というエネルギーが強く僕を動かしてくれます。
だから、もう演奏会で失敗しようが、他人と比べてどれだけ下手な自分に凹むことがあろうが、「次の日に練習する意欲」には全く影響がありません。不思議なもので…。
そして、自分が経験し理解してきた「上達するための方法」を他人と共有することに大きな情熱があります。
どうやら誰しも、「自分個人より大きなものとのつながり」がどこか深いところに望みとして存在しているようです。
こんにちは。
僕の場合、ウィンナホルンが大好きなので、吹いています。
見た目から音まで、全部が大好きです。
特に、ヤマハのウィンナは、全てが美しい楽器です。
惚れてます(笑)
確かに、吹きこなすのは難しいですが、惚れてしまっているので、本番で大失敗しても、やめたいとは思いません。
でも、次の日くらいは休みます(笑)
自分のオケでは他にウィンナ吹きがいるのか?一人で吹いていて楽しいか?とよく聞かれます。
そういうつながりは、あまり、求めていません。
自分みたいなのが他に3人集まるなら楽しいでしょうが、うちの田舎にはこの手のマニアは僕だけですから、それは求めません。
自分にとっての
自分個人より大きなものとのつながり
とは…何だろう。
基本的に、熱血漢は大好きです。
そういう集まりかな。
バジルさんはクールそうですが、僕の中ではそのカテゴリーに入っていますよ(^^)
massyさん、こんにちは。
ウィーンナーホルン、本当に美しい楽器だと思います。
世界の著名な指揮者たちが、音が不安定になるのも気にせず惚れ込む魔力がありますね。
そういった特別な力、歴史性、芸術性。
これがmassyさんが惹かれパワーを得る「自分を超えたもの」かもしれませんね。
ぼくは…お察しの通り、実はクールじゃないですよ(笑)
今日 コルセットを、取りました。(医師が、OKをだして)
問題は、座る姿勢(椅子を、使用)
アレクサンダーの応用編など、ありませんか?
座る姿勢・・・文書を読んで参考にしてます
二足歩行の姿勢に、応用できないですか?
バジル先生のアドバイスを、待ってます。
さっさん
コルセット終了おめでとうございます。
怪我と手術のあとで、日常的な動きもとても神経を使う事だろうと思います。
アレクサンダー・テクニークを学んでいる立場から、まず一番最初にアドバイスできることは、
「何度かレッスンを実際に経験してみて下さい」
ということです。さっさの実際の動き、実際の状況をその場で見てレッスンを進めるという機会が無いなかで、アレクサンダー・テクニークを使うというのは中々難しい面もあります。
それを前提に敢えて言うとすれば、
まずとにかく「自分自身をよく観察する」ということです。
どういうときに「ラクに座る」ことができていますか?
そのときの「自分の思考」と座っていくときの動き、座っているなかでの動き(人間は常に動いていて静止していません)、座るという事に身体のどの部分をどのようにどのくらいの力を使っているか。
その観察の中に必ず全身を含めて下さい。頭がどのように動いているかを観察することをお忘れなく。
同様の観察を、すわっていてしんどく感じる時もしてみます。
それで、得られた観察を比較します。
歩く、走るも同じです。
具合が悪くなったときや、痛みが出て来たときに、もし何らかの作業で忙しくしているのならば、可能であれば手を止めて、横になって床や全身をゆっくり感じとるということをしてみるのも良いかもしれません。
変化・変容のためのプロセスー目次
①はじめにー変化の為の9つの要素 http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-07 ②情熱・意欲・望み http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09 ③観察して情報を得る http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11 ④得られた情報から洞察・分析・アイデアを得る http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17 ⑤サポート?第2のエネルギー? http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21 ⑥探求・試行錯誤・実験 http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26 ⑦解決策・新しいプラン http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-27 ⑧信頼?第3のエネルギー? http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-06-01 ⑨結果(新しい経験)=第5段階 と 新しい目的・目標・領域=第6段階 http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-06-12 意見・コメント・質問・苦情は basil@bodychance.jp Basil Kritzer ホルン&金管トレーナー。 ThinkingBody 認定コーチ→ThinkingBodyについて 京都華頂女子高等学校音楽科ホルン科講師。 香港生まれ、京都育ち。ドイツ・エッセンフォルクヴァング芸大ホルン専攻卒業。 現在、BODY CHANCE にてアレクサンダー・テクニーク教師養成課程履修中。通訳兼務。 2012年 アレクサンダー・テクニーク講師資格取得予定 にほんブログ村 にほんブログ村