pの音量、アパチュアのずれ、音割れの悩み…..どうしたらいいの?

青年アマチュアホルン奏者のNさんよりご質問頂きました。

【質問】

毎回、ブログ等、楽しみに拝見しております。

最近悩んでいることがありまして、思い切ってメールした次第です。

数点あるのですが、

1. ハイトーンのピアノが出せない
最近、先生のブログのおかげで息もだいぶ使えるようになったと感じており、ハイトーンの(大体実音C’’以上)mf、 fぐらいだと音もかなり当たるようになってきました。 しかし、どうにもこうにもpになると、音がかすれてしまい、実音F’辺りでも音がかすれてしまい、時には音にさえなりません。(デクレシェンドの時も同じようになります)

根本的にpの場合には
 
・アパチュアを小さくするべきか
・息の吐く量を少なくするか

それともまた別の方法か・・・と悩んでいます。 アパチュアを小さくしようとするとアパチュアがつぶれ、体に余計な緊張が生まれ、「その時だけ」バテが一気にきます・・・ 息の量を少なくすると、ハイトーン自体が出せなくなります・・・  

2.  アパチュアの位置がずれてくる
「1」とほぼリンクするのですが、高音域になるにつれ、中音域以下では真ん中にあったアパチュアがどんどん右にずれてきます。思い切ってプレスしてみてもです。 要因として考えているのは、
   
・どちらかの筋肉(多分右側)を引っ張りすぎている(意識自体は中心に向かって筋肉を寄せる感じ)
・中音域でも下唇も巻き混んでいる(実際、下唇の裏側に歯型がくっきりと残っている)ので、高音域 になると、なぜかそれが甚だしくなる

3.  音が割れる
私の音のイメージで、ブラッシーなホルンの音も好きなのですが、f以上になると「音が割れている」と周りの方々によく言われます。 頭の中で「ブラッシーな音」と「割れている音」の違いが分かってないのが一番の原因だと思うのですが、どう対処(練習)すれば良いのかが分かりません・・・。

私の中の「ブラッシー」は、ドールやヴラトコヴィチのfのイメージです。 あと、クレシェンドでf以上で音が終わる場合の音の処理も汚いと言われました。

実際に見て頂かないとわからない部分がほどんどかとは思いますが、ご教示下さい。

【回答】

こんにちは!

> 1. ハイトーンのピアノが出せない

・アパチュアを小さくする
・息の吐く量を少なくする

その「両方です!」
二つでワンセットですから、まずはそれを試してみてください。

あと、単純に p すぎる可能性もあるかも?

p が苦手だから p を練習すればいいかというと、必ずしもそうとうは限らないと思います。

もっと全体的にラクで健康的なテクニックが身に付いて行く過程で、pもできるようになるという面は大いにあるかと思います。

短所を直接的に補う/改善するというのもひとつのまっとうな方法ですが、長所をどんどん伸ばして行くなかで気付くと短所もマシになっているということもまた、実際には非常によくあることですからね。

息の両とアパチュアは常に二つで一つの対応関係にありますから、ロングトーンのでデクレッシェンドをやってみたらどうでしょう。十分たっぷり鳴らす音量で発音して、ゆっくりだんだんとデクレッシェンドしていく。そうすると、息とアパチュアの連動を感じやすいかもしれません。

感じられると、やり方が感覚的に分かってきますね。

> 2.  アパチュアの位置がずれてくる

「ずれてOK」と考えてやってみると、どうなりますか?

たぶん「ずれる」が故の問題は起きていないのではないのでしょうか?

「ずれないように」すると、吹きにくくなるわけですから、「ずれてOK」で吹いてみる。

どんな奏者でも、音域によってアンブシュアやアパチュアが左右上下八方向のいずれかにシフトすることが研究で明らかになっています。

「ずれる」が「正しい」ことなのです。

顔の骨自体が左右非対称ですから、筋肉もまた然りです。

ということは、構造から決まる「場所」「真ん中」は、見た目上の真ん中ではなくてよいし、キレイに真ん中の方が不自然になるのです、骨自体が左右非対称だと。

これも参考になると思います。
「左右非対称のススメ」https://basilkritzer.jp/archives/901.html

> 3.  音が割れる

まずは、そのフィードバックをくれる人のこと、信頼できますか?
ひょっとしたら、フィードバック自体が不正確かもしれません。

一度、プロの演奏家の先生にレッスンを受けに行って音を聞いてもらいましょう。
オーケストラでしっかりした経歴をお持ちの先生がよいでしょう。

その先生が「割れ過ぎでないよ」と言えば、割れ過ぎではありません。

また、人によって「割れやすさ」が先天的に異なります。

ひとつのプロの楽団の中でも「割れやすさ」が異なるプレイヤー同士が全く問題なくアンサンブルしています。

なので、誰かに言われた「割れ過ぎ」という印象ベースのフィードバックは、必ずしも正確ではないかもしれないし、あまり真面目に対処しようとしない方がよい可能性もあります。

もし実際に変に割れ過ぎなら、息の量に対してアパチュアが狭すぎるためです。アパチュアを緩めるとよいでしょう。

ブログでは読めない話もたくさん!ぜひメルマガをGET♪

レッスンの申込や出張依頼などについては、こちら!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です