【30歳を過ぎ、学生時代よりも練習量が少ない中で、確実に上手くなっていく実感がある】

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酒井一人さん(チューバ)

チューバが上手くなりたい一心でいろんな先生のレッスンを受けたりマスタークラスを聴講したりしました。どの先生も熱心に指導してくださいましたし、それなりに上達もしたのですが、どうしてもプロの音色や音量にはかなわない…

追いつこうと必死に頑張るほどに音は汚く、パッセージはもつれてしまう…憬れのプレーヤーは、とっても軽やかに、楽そうにやっているのにどうして!?

普通はそれを「才能の問題」として片づけるのでしょう。ですが、僕は諦めたくなかったのです。何か先生とは違うことをしているから結果が違うのだろうと推測するのですが、それが何かがわからない。

そのころからバジルさんのことは管楽器の奏法や身体のことについてのブログを書いている人として知っていたので、メールでその疑問をぶつけてみたのです。その時のバジルさんの返事はこちら。

『端的に言うと、音楽のプレイヤー/先生は音の分析はできるけれど、動きの分析はできないことがある、ということなのです。』

だから、結果としての音についての指摘や提案はできるけれど、それを実現するのは「身体運動」であることは見落とされています。

また、いまどのような動きが起きているかも、「動きを見る」という訓練は積んでいないわけですから、先生も生徒も分からないままになりますね。

この説明がものすごく腑に落ちたのです。そして興奮しました。

自分が求めていたもの、一流奏者と僕の違いはなんなのか!?アレクサンダー・テクニークのレッスンに行けば、その答えが見つかるかもしれない!!そして、上京して体験レッスンを受けることにしたのです。

それ以前からバジルさんのブログやアレクサンダーテクニーク関連書籍を読んで、ある程度ATについてわかっていたつもりでした。しかし、実際に手でガイドされて「頭が動ける」状態にしてもらうと、それだけで出てくる音が変わってしまったのです!これは衝撃でした。そして文字だけではATは理解できないことを痛感したのでした。

僕は静岡に住んでいるので、東京までレッスンに通うのは大変です。正直、体験レッスンの一度だけで済ますつもりでしたが、帰るころにはもっとやってみたい、という気持ちになっていました。そして、たとえ3カ月でも通える限り通ってみよう!とベーシックコースに入ったのです。

最初のレッスンは緊張したのを覚えています。だってアレクサンダーのレッスンって何をやるのか想像できます?アレクサンダー体操とかアレクサンダー瞑想とかやるんだろうか?と半ば本気で思ってました。

実際はそんなものはなくて、楽器のレッスン、人が見ているという意味ではマスタークラスに近い感じでした。テーマは自分の「やりたいこと」です。先生から「今日は何がしたいですか?」などとと聞かれたことがなかったので、答えに困ったりしたものです。

最初のうちは「ダブルタンギングが上手くできません」とか「低音域が大きな音で出せません」といった、自分の「できないこと」にフォーカスしてレッスンを受けていました。ですが、レッスンを受け、日々の練習にもアレクサンダーテクニークを取り入れることで、それらは次々と、拍子抜けするほどあっさりとできるようになっていったのです。壁を乗り越えたというよりは、そこにあったはずの壁がいつの間にかなくなっていたような感じで。

30歳を過ぎ、学生時代よりも練習量が少ない中で、確実に上手くなっていく実感があるのです!

こんなに楽しいことはありません!!

技術的な問題が解消されていくと、後はいかに音楽をするかということになってきます。

音楽!!そうだ!僕はこれがやりたかったんだ!!!

正直、自分がこれほどまでに音楽をしたいと思っていたとは思いませんでした。上手くなりたかったのは音楽のためだったのだということ。それに気付かされたのです。

レッスンはいろんな人が集まります。通う頻度も人それぞれですし、持ち寄るテーマも様々、熱意も人によりけりです。先生はそれに根気よく付き合ってくれます。

管楽器、弦楽器、ピアノに歌といった音楽家をはじめ、役者や学校の先生や悩みを抱えた人や何をやっているのかよくわからない人まで。

水準も初心者から一流プロまでバラバラ。いつも来ている人もいれば、久しぶりに来る人もいる。熱心にメモを取る人もいれば、半分昼寝しているような人もいる…そういった人たちとの交流は刺激になります。

そして、いつまで続けるかも自由です!どこまで到達したいかは自分で決めればいいのです。

自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、全て自分で決められる。それがレッスンの最大の魅力だと思うのです。

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