本番で必ず1回はミスをする….どうしたらいいの?

海外で楽器演奏を勉強されている方からご質問を頂きました。

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【質問】

初めまして。いつもメルマガを楽しみに読ませていただいています。

そして、実際にアレクサンダーテクニークを実行に移してみて、本番でのあがりが少なくなりました。

本番中の体の力みもほとんどなくなり、大変感謝しています。
ありがとうございます。

ぜひ先生のレッスンを受けたいのですが、今は海外に住んでいるため通えませんが、一時帰国する際に一度Lessonをさせてもらえたら。と思っております。

今日は質問があって、メールさせていただきました。

本番でのミスのことです。私は本番で必ずと言っていいほど、一回はミスをします。しかもゆっくりな楽章で、ソロの部分でもミスをしたりするので、これから音楽家として本当にやっていけるのか、少し悩んでいます。

集中力が欠けているのでしょうか。そんなに緊張していない時にでもミスがあるので、何が原因なのか自分で分からなくて、困っています。

何かアドバイスがあったら、教えていただけないでしょうか。

【バジル】

「ミス」とよんでいらっしゃるものが何なのか、にもよりますね。

A:うっかりミス、勘違い、見間違いのようなもの
=準備や注意力に起因するもの

B:思い通りに音が出なかった、指が動かなかった、体が言う事をきかなかった
=技術に起因するもの

もしBのことであれば、わたしのようなホルン奏者たちからすれば、本番一回あたり一回のミスす済んでいるならば、御の字だと思ってしまいます(笑)

プロの演奏家たちでも、Bのタイプのミスはほとんどの本番で1回くらいはやってしまっているのではないでしょうか。

楽器が不安定なほど(ホルンは特にこれに該当する)、そして曲が難しいほど(あなたの楽器だとそれが多いかもしれません)、そのリスクは高いかな、と思います。

プロの演奏家でも本当の意味で「(Bのタイプ)の絶対ミスしてはいけない/ミスできない」という状況は非常に稀なのではないかと思います。特殊なレコーディングの状況などぐらいなものではないでしょうか?

テレビ生放送でも、Bのタイプのミスは見かけますよね。

実質的に、演奏家にいちばん「ミスしないこと」が求められるのは、おそらくオーディションの状況なのではなのかもしれません。

オーディションでは、「ミス」をすれば足切りの意味で、そこで落選させるということが行われているケースがあるようです。どれほどの頻度や割合でオーディションでそういうことが行われているのかは、はっきりとは分かりませんが….

まとめると、プロの演奏家でも「Bのタイプのミス」が演奏活動(キャリア)を左右するのは

・オーディションまたは他の現場で、「ミス」で足切りを行ったり、仕事をまた紹介するかどうかを決めるような楽団・人が関わっているケース

・一部の特殊なプレッシャーの高いレコーディングなどの特殊なケース

なのかな、と思います。

いかがですか?

【質問者】

早速のお返事、ありがとうございます。

考えてみると、ほとんどがBタイプのミスです。

私の場合はエキストラで色々なオケで演奏させてもらっています。その場合にミスをしたら、次から呼んでもらえないのではないかと不安とプレッシャーを感じているのだと思います。

先生の『わたしの自己否定』を読ませていただいて私の状況と似ているところが沢山あり、それを第3者の立場で文章で読むことで上手く言えませんが、何かのきっかけが掴めたような気がします。

まだ手探り状態ですが、少し私の道に光が差し込んできたみたいです。

【バジル】

なるほど、オーケストラのエキストラで、という状況のお話だったのですね。
確かにそれだと、Bタイプのミスは、気になるし怖いですよね。

でも、大事な点が二つあります。

・エキストラをまた呼ぶかどうかは、ミス1個ではなく全体的な力量と質、社交性、人間的相性で決めていることが多い

・Bタイプのミスは、「気をつけること」や「ミスしないようにする」ことで減らせることではなく、むしろそれでは増えてしまう

結局は、他人からどう思われるか、ではなく、いかにベストを尽くし成長を続けるか、なのかなと思います。

やりとりをブログで紹介したいのですが、いかがでしょうか?

【質問者】

メールありがとうございました。

不安や怖さより、音楽をしようとする楽しみが増えてきました。

このやり取りが誰かの役に立つのであれば、紹介して下さって結構です。

本当にお忙しいところ、アドバイスをありがとうございました!

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本番で必ず1回はミスをする….どうしたらいいの?」への2件のフィードバック

  1. ホルン吹いているんですけど、吹いていると、だんだんアパチュアが広がりすぎてきて、バテていくような感じがします。
    バテにくい口をつくるために何か方法などありますか?

    • おはようございます。

      残念ながら、いただいた質問文だけでは、どのような吹き方をされていて、どのような考え方で奏法を作っており、どのような状況でどんなことが起きてバテにつながっているのかを推測することができません。そのあたりをもっと書いていただくことはできますか?

      このブログはたくさんの記事がありますが、「バテ」で検索したときにヒットする記事の一覧です
      →http://goo.gl/f3l0zX

      まずはこれらの記事にぜひお目通しください。

      それで、気がついたことや、さらに残る疑問などがあればぜひまたご質問ください。

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