縁ある友人と

先日、東京都交響楽団で活躍している古くからの友人である岸上穣くんの宅へお邪魔しました。結婚されたところで、そのお祝いもかねて (^^)

彼も京都にルーツがあり、高校時代は同じホルンの先生に師事しておりました。 
それもあって、高校生のときからの知り合いです。

年はわたしの方が一歳上なのですが、高校時代のあるとき、同じソロコンテストに出場したことがありました。

当時からわたしはとてもあがり症だったので、コンテスト本番の日もとても緊張していました。なにより、当時はすごく思い詰めてばっかりだったので、その日は緊張を通り越して「失敗は許されない」という悲壮感でガチガチになっていたのを覚えています(苦笑)

左からバジル、岸上穣くん、羽鳥美紗紀さん、中央は「てまり」さん。

左からバジル、岸上穣くん、羽鳥美紗紀さん、中央は「てまり」さん。

本番では、なんと岸上くんはわたしのひとつ前の出番でした。岸上くんは当時からもの凄くうまくて、京都ではちょっと知られた存在でした。

そんな彼が自分のひとつ前に演奏すると知ったときは、ちょっと複雑な気落ちになりました…(苦笑)

いざ本番。わたしは舞台袖で彼の演奏を聴きながら自分の出番を待っていました。

彼はラインベルガーのホルンソナタを演奏しました。

もう初っ端のファンファーレから、高校2年生とは思えない強く、太く、しっかりした音で、完璧に演奏していました。

それを舞台袖で聞いていたわたしは、

「これはどうあがいても敵わん!」

と悟りました(笑)

そのおかげで、ものすごく力が抜けました。

「もうこんな演奏されちゃったら、自分なんてどうでもいいや。彼が上の賞を受けるに決まってる。もうどうでもいいや!」

と吹っ切れたのです。

すると、舞台に歩みでた頃にはまったくプレッシャーを感じず、ただただ演奏するのが楽しく感じました。おかげで、練習のときにも一度もなかったくらい、安定して余裕のあるよい演奏がステージではできました。

授賞発表。

予想に反して、わたしは岸上くんと同等の賞をもらうことができました。

わたしは彼に歩み寄って、

「ありがとう!君がすごい演奏をしてくれたおかげで、自分も力が抜けてうまく吹けた!ぼくの賞はきみのおかげです!」

….彼はたしかニヤッとしたような苦笑いをしていたような気がします(笑)

その後、留学先のドイツで会ったり、わたしのドイツ時代の親友二人がそれぞれ在籍していたドイツのオーケストラに岸上くんも奇遇なことに在籍したり、岸上くんがメンバーを務める「つの集団」の合宿に講師として呼んでもらったり、何かと不思議な縁があります。

わたしにとって、オーケストラ団員を務めるホルン奏者というのはやはり憧れであり、ヒーローみたいなものです。若いころからの友人が立派に団員を務め、キャリアを積み重ねている様子を見るのは、とても眩しいものがあります。

友人として、縁がある知り合いとして、そして憧れの対象として。お酒を飲み交わしながらいろいろ話ができて楽しかったです。

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