アンブシュアが、左右のバランスで見た際に見た目上の真ん中にないのは、そのひとの顔、歯ならび、骨格など構造上、見た目の真ん中が構造的に不安定だからなのではないでしょうか。
つまり演奏という機能から考えると、そのひとにとっては見た目上の真ん中は、構造的あるいは機能的にはずれた場所だといえます。
だから、真ん中になっていないのです。
真ん中は、そのひとにとっては真ん中ではなくずれた場所なのです。
自然と、そのひとはそのひとにとって最も平坦で安定する面にマウスピースを接触させているからこそ、見た目上の真ん中ではない場所にマウスピースがセットされている可能性が高いと思います。
見た目上、左か右に寄っているプレイヤーはプロ奏者にも大ソリストにも、あらゆる管楽器奏者に存在します。
そして、よく観察すれば、ほぼ誰でもわずかにどちらかには寄っていることがほとんどではないでしょうか。
ちゃんと観察していれば、「真ん中じゃないからうまくいっていない、よくない」というのは論理的にも実際的にも成り立たないように思います。
真ん中じゃないから間違ったアンブシュアだ、直すべきだ、
というのは構造上そして機能上は実は間違っている(逆効果)ケースがかなりあると思います。
真ん中じゃないから、という理由でアンブシュアを変えようとしているひと、変えろと言われたひとは、もしこれを読んでいただいていれば、もういちど再考していただけるとよいかな、と思います。
初めまして、最近バジル先生のブログを見つけ、拝見させて頂いていました。
現在アマチュアでトランペットを演奏しているものです。
アンブシュアとはやや趣きが異なるかもしれませんが、質問させてください。
たまたま鏡がある部屋で練習していた時のことです。マウスピースを当て、いざ息を入れようという時に、鏡に映った自分が目に入り、不思議に思いました。右側の鼻周辺がつり上がるように動いてしまっていたのです(苦手な人のウインクに近いイメージです)。しかし演奏そのものは出来ているので、不気味に感じています。
気にしないようにと考えてはいるのですが、どうしても気になってしまい鏡を見ながら練習してしまい、音域やスタミナにも影響が出始めています。
気にしない方が良いのか、それとも何かを改善した方が良いのか、悩みの種となっています。
何かアドバイスを頂ければと思います、よろしくお願いします。
鏡見るのやめましょう(笑)
調子が悪くなってるのは、文面にしっかり現れている通り、その顔の動きのせいではなく、「それが悪いことかもしれない」という疑念による影響です。
鏡がその疑念を刺激してしまう間は、鏡は片付けましょう。その動きを純粋に興味の対象として観察、分析、実験できる気持ちになってはじめて鏡が「使える」存在になります。
で、その釣り上げる動きのことですが、きっとマウスピースとアンブシュアの hikari さんにとってのしっくりくるフィットを創る過程で行っている「いまは必要」な動きだろうと思います。
全体的に奏法が成長し効率的になる中で、その釣り上げる動きがなくなったり、しなくてもフィットを作れたりするというようなことはこれからあるかもしれませんが、それとて釣り上げを無くしたり止めたりする意識ではありません。また、見てみないとわかりませんが、すでに現時点で十分必然性のある正しい動きとしてその釣り上げの動きが起きている可能性もあります。
繰り返しになりますが、「気にすること、疑念を持つことで調子に悪影響が出ている」ことを重要視してください。これこそがいちばんよくないことです。釣り上げの動きではなく。
それをわかっておくと、今後にもいろいろ役立つかもしれません。
返信ありがとうございました。
成長の過程に起きていることとして素直に受け入れて、これからも楽しんで練習を続けていこうと思います。
hikariさん、やりとり、ブログで紹介させてください!
ぜひ!どうぞ!
ありがとうございます!