歌う、というモード

先週、大学卒業以来はじめてちゃんと、ホルンのレッスンの受講を再開したわけですが、今週さっそく第2回目のレッスンを受けに行きました。

まず、「先週よりはるかに良くなった」と言ってもらえたわけですが、それに対しわたしの脳味噌は「それってつまり先週は相当ダメだったということだ」という勝手な、かつネガティブなバイアスがかかったコメントを大量生産し始めました(苦笑)

しかし、いまやわたしはこれが「悪魔の声」であり、耳を傾けても何の得にもならず、本気にすると自分をダメにしかしないことを、よーく分かっています。ですので、悪魔の声に対しては「けっこうです。どっっかいってらっしゃい」と一言お断りして、何がよくなったか、何故よくなったかを「真っ当に」分析しました。

【信頼する決心】

いちばん大きかったのはやはり、レッスンを受ける=ひとのサポートを得る=ひとから影響を受ける、その決心を付けられたことです。

成長するには、変化する必要があります。変化するには、他者のサポート=外部からの影響力を受ける必要があります。今回は、ホルンの演奏に関して、ホルン奏者からの「影響力」を受け入れることができたということです。

影響を受ける、ということは悪い影響を受ける可能性が常にあります。だから、他者のサポートというのは常にリスクなのです。しかし、そのリスクを冒してでも外部から影響力を受けないと、いままでと異なることはできないし変化は起きないのです。

したがって、よく調べ、よく考えたうえで、誰からの(何からの)サポート=影響を受けるかを決断する必要があります。そうでないと変化を怖れて、せっかくレッスンに言っても、影響されることを拒んで教えを活かせないでいてしまいがちです。

サポート=影響がよいものであることを「先に」信頼したうえで、与えれたフィードバックやアイデアを活かし、とりあえずやってみる必要があるのです。結局は、やってみて影響を受けてみないことには、それが最終的に良いかどうか分かりらないのです。

決心は、信頼するということですね。信頼するということは、たとえ結果が悪くなったとしても、それに責任を負うのは自分だ、ということです。この数年間で蓄積した知識、経験、技術がその責任能力を培ってくれて、それでようやく決心できた、ということがあるのだと思います。

【なにが良くて、なにが良くないかの判断】

こうして決心し、先生からのサポート=影響力を受けたことで、初回のレッスンでは先生のフィードバックが大いに参考になって、

・自分の音が
・どんな考えに基づいて
・どんなことをやっているときに
・どんな結果になっているか

をより客観的に判別することが進みました。そのため、自分がやっていたことの中のどれが建設的でどれがネガティブなのかがいままでよりはっきり分かってきたのです。

認識自体は以前からできていることでも、それを良いか悪いか判断し、何をするようにして何をやめるようにするかという決断は、客観的な意見やフィードバックをもらうことでずいぶんやりやすくなるんだな、と感じています。

【練習することが明確に】

上述したように、判断と決断ができると、練習がはかどります。

だって、迷いが減りますから。

こう吹く。
こう意識する。
これはやめる。
こうなったらこう変える。

そういうふうにプランが明確になって、選択肢が良い意味で絞られます。そうすると、自信がつくというか、割り切れるというか、なんだか思い切って音を出すことができますね。

【歌う】

2回目のレッスンでは、「奏でている音が、歌として聴こえるかどうか」という観点のコメントをもらったのですが、その短いコメントが、わたしにとってはとてもキーポイントになりました。

その一言で、

・歌っているとき
・音を出そう機械的に動作を行おうとしているとき

のちがいが突然はっきり分かってきたのです。モードのちがいがわかり、自分がどっちモードを選択しているか、選択しつつあるかが識別できるようになった気がします。

前者は、こう奏でたい、だから奏でる、という能動的なアクションです。そして歌っている=ソルフェージュをしているので、基本的には音は出せる。外れないのです。

後者は、「正しくやる」「外さないようにする」という、スタティック(静的)でデジタルで消極的なモードです。そこを乗り越えて音を出すので、葛藤と緊張があり、音も外しやすくなります。

建設的でポジティブで能動的なモード/非建設的でネガティブで消極的で保身的なモード。結局は前者の方がだいぶうまくいくので、そのモードのどちらをやっているかをより敏感に察知し判断できるようになったのが最大の収穫でした。

また次回が楽しみです。

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