改めて、集中力と観察を最適化するため、目を閉じてやってみよう。
ステップ1:
真ん中のドを大きすぎず、小さすぎない音でそのひとつ上のミの音にスラーでつなげて演奏してみる。
観察してみよう:
a.自分の姿勢
b.解放できる身体の不必要なあらゆる緊張
楽器を置いてリラックスする。
頭の中で観察した事を総ざらいし、どんな感じがするかの「メンタルイメージ」を作ろう。
ステップ1を繰り返す。
ステップ2:
「意識的に」息を吸い、息を支え、 息がアンブシュアを通り抜けられるようにしてあげながら一つの音から次の音に届けるようなつもりで真ん中のドからミへのスラーを演奏する。
観察してみよう:
a.息の流れ
b.マウスピースの中の唇の動き
c.顎の動き
楽器を置いて、リラックする。
観察したことを頭の中で総ざらいし、ステップ1で作った「メンタルイメージ」と比べてみよう。改善されたと感じれば、その改善に応じてメンタルイメージを修正しよう。
ステップ3:
音はどうだったろうか?こう聴こえて欲しいと思うままにドからミへのスラーを声に出して歌ってみよう。
聴こえて欲しいと思うままにスラーを演奏してみる。息の流れを続けて一つの音から次の音へと動くことに集中しよう。その部屋に響いている音を聴く。ベルから離れたところで聴こえる音。自分の上、自分の前で聴こえている音。
楽器を置いてリラックスする。
頭の中で観察した事を総ざらいする。相応しいかたちにメンタルイメージを修正する。
ステップ4:
ドからミへのスラーを演奏するのに、さほどの身体的努力は要求されない。アンブシュアは十分に開いていて、ドとミの息のスピードの差は最低限で済む。
ドとミの間に何かしら抵抗感の「バリア」があることに気が付いたかもしれない。滑らかででこぼこ感のないスラーを遂行するためには、この「バリア」を迂回するようにして演奏する必要がある。これはマウスピースの中の唇の最少限の動きで為される。下の音から上へ上がる時に「W」と発音するような唇の動きだ。この動きは必要最少限であり上の音に合わせたアンブシュアの修正を行うのみである。同時に、基本的な息の流れは一定に保たれているが、最少限には実際に上の音のために息は増やされ、息の圧力は若干減らして「バリア」の抵抗を回避する必要がある。説明すると複雑になるが、手順自体はシンプルなものである。しかしながら、一個一個の音が「余分な」息のサポートをもらっていちいち強調されてしまわないように注意深さが必要だ。スラーは歌のように聴こえるべきだ。滑らかで、音と音の間には明瞭なつながりが感じられるように(ただしグリッサンドみたいにはならずに)、そしていずれの音にも理想的な音質があるように。
ドからミへ演奏するとき、顎はわずかに上へそして内へ動くはずだ。
ドからミへスラーで演奏してみて、上記の詳述を自分の観察と比較するために使ってみよう。常に理想的な音質を目指そう。