管楽器プレイヤーのためのBodyThinking ワンデーワークショップ レポート

2011年8月21日、「たった1日でうなくなる!管楽器奏者のための BodyThinking ワンデー・ワークショップ」を開催しました。満員となり20名超の方にご参加頂きました。やってみると、思いの外濃い内容で参加者もお腹いっぱいになる充実の一日となりました。

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大変興味深かったことが2点。

ひとつは、頭と脊椎のボディイメージをテーマに進めていた時間帯、誰もが明らかに姿勢がスッと伸び、身体が軽くなった、歩きやすくなったなどの実感を得ていたこと。頭と脊椎の関係が全体の動きの決め手になっているという原理が想像以上に明白に効いていたのです。

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ふたつめは、このブログでも最近取り上げていた、「骨盤底」の働きをテーマにしてレクチャーしていたときです。みなさんものすごく興味を示されていたのも意外だったのですが、個別にミニコーチングしていたときも、骨盤底を演奏のプランと意識に含めた際に、姿勢が明らかに変わって安定したり、腰痛がなくなったり、音量が何の労力なしで大きく存在感を増したり、タンギングののもつれが解消したりということが次から次へと出てきました。

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私自身、非常に感銘とインスピレーションを受け、翌日新たな意識で練習してみると、骨盤底から本当にしっかりと息主体で吹くことに拠り、唇に負担をかけずに高い音や大きい音、タンギングを演奏するコツが見えてきました。

それでは、みなさまの体験談をご紹介します。

ロングトーンのときに息がスーッと入っていった感覚は驚きでした。
みんなに共通していたことは、バジルさんが「一言」添えると音が豊かになったこと。
その一言を意識してこれからは演奏したい。
これまで本などでは分かりにくかったことも、体感することで頭の中で整理されました。
春原信幸さん(ホルン/メロフォン)

自分の骨や筋肉の位置をしっかり知るだけで、
明らかに楽に吹けたり、よく響く音が出るのにびっくりしました。
自分ひとりで練習して試行錯誤するだけでなく、
他の参加者の方々がどんどん良くなって行くのを見ているのが
とても分かりやすくて面白かった。
氏家亮さん(ホルン)

今回も非常に便利な考え方やテクニックをおみやげに頂きました。
骨盤底で姿勢を支えたときに声が安定して驚きました。
舌骨につながる筋肉が幅広いことを知り、力んだ状態を直すヒントになりました。
濃密な一日でした。休みをとって参加してよかったです!
北川聡さん(俳優)

頭や股関節など自分の身体がどうなっているかを本当に知ってびっくりしています。
新たな意識で身体と対話しながらだと、練習が楽しくなりそうです。
酒井一人さん(チューバ)

自分で実体験してみて、もっとラクに演奏できることがわかった。
また響きも変わることもよくわかった。
繰り返し学んで自分のものにしたい。
船山敏さん(ホルン)

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頭、背骨、股関節などからだの全てが関連していることを再認識できた。
姿勢、呼吸、アンブシュアをつなげて考えることができると、強く感じた。
松浦光男さん(ホルン)

4月のミニ講座に参加してすごい変化を感じたので、今回も参加しました。
頭から骨盤、脚のところまで筋肉の仕組みがよくわかりました。
特に腕や呼吸の話が新しかったのでとても勉強になりました。
気になっていたタンギングのことも、実際にみてもらうと
あんなに楽になるとは….驚きました。
ありがとうございました!!
K.A.さん(クラリネット)

以前の体験ミニ講座のときよりもさらに深く理解することができました。
これからの練習に取り込んでみたい内容ばかりでした。
ワークショップに参加してよかったです。
T.M.さん(トランペット)

自分が思っていた身体と実際が異なっていて、驚きました。
特に頭の「身体地図」を直したときの、頭がラクになった感覚は感動しました。
また参加したいです。
バジルさん、本当にありがとうございました。
I.K.さん(ホルン)

理想の音=ストレスのない音へ近付くヒントを得られた。
本当にベーシックな部分で意識をするだけでかなり感覚が変わることを体験できた。
S.T.さん(ホルン)

意外とシンプルな変更(考え方・体の使い方)で結果が
大きく変わって、驚きました。
S.M.さん(ホルン)

苦手な高音の吹き出しの時、特に、息の出口に近い舌骨に付いている筋肉全体を意識しつつ、
股関節や骨盤底を思い出したり、横隔膜と僧帽筋と大腰筋のつながりをイメージしてみました。
そうしたら、唇に無駄な力が入らず、吹き損じがほとんどなく、
高音をきれいに音量豊かに吹けました。この方向で練習を重ねてみようと思います
匿名希望(横笛)

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管楽器プレイヤーのためのBodyThinking ワンデーワークショップ レポート」への3件のフィードバック

  1. ワークショップ・メモその1?BodyThinkingとは

    8月21日に実施の「たった1日でうまくなる!管楽器奏者のためのBodyThinkingワンデー・ワークショップ」。おかげさまで満員になりました。この企画構成段階でのメモがあるのですが、それなりに面白いので、公開します。今回来たくても来れなかった方には、ヒントになるかと思います。 メモその1 メモその2 メモその3  メモその4 メモその5 メモその6 ワークショップ・レポート(写真・体験談付き)はこちら 第1部「BodyThinkingとは?」 1:きょう一日やること =身体の現実にマッチした吹き方で、うまくなる&ラクになる&効率がよくなる。 2:その方法 =演奏のための「ボディマップ」を現実の身体の構造にマッチしたものにする。 3:ボディ・マップ=「脳の中の身体地図」。 ・私たちの身体を動かすシステムは脳の中にいくつかある。 ・姿勢や心拍、血流、呼吸など多くは脳幹など脳の深い原始的な部分で司られている。 ・ そのおかげで、大事な生命維持作用は自動的であり、無意識にできる。 ・その一方で、様々な環境や状況に適応した判断に基づく随時の動きも必要。 ・歩く/走る/話す/楽器を吹く、などの動きは意図的に行われる。 ・これらは脳の「運動野」で指令される。 4:ボディ・マップ=ボディ・イメージ+ボディ・スキーマ ・身体の運動は、脳の「ボディ・マップ」という機能で担われている。 ・ボディマップ=ボディ・イメージ+ボディ・スキーマ ・ボディ・イメージ=運動野/プログラミング系/後天的/司令部 ・ボディ・スキーマ=感覚野/モニター系/先天的/報告役 5:ボディ・スキーマ ・要は、身体と運動の感覚。 ・これのおかげで足を見てなくても足が絡まずに普通に歩ける。 ・見てなくても頭の裏で両手を合わせられるのも、ボディ・スキーマのおかげ。 ・頭の裏で手を複雑な形にしていても、指の向きや指同士の距離が正確に分かる。 ・つまり正確な現在地報告システム。 ・いま自分がどういう体勢でどういう動きをどれぐらいやっているか、知らせてくれる。 ・基本的に、100%正確。 ・「感じよう」としなくても常時、現在情報は脳に報告されている。 ・ある意味、先天的で信頼できる機能。 ・ただし、運動を起こしもせずコントロールもしていない! 6:ボディ・イメージ ・運動の設計図。 ・身体の大きさ、形、動きの量、範囲、強さ、速さまで設計している。 ・…

  2. 準備は身体がやってくれる

    *アレクサンダー教師養成課程の授業に出席して、ホルンの演奏を先生たちにいつも見てもらっています。これまでも時々書いているので、ご存知かもしれませんが、ほんと毎回発見と収穫があります。今週はBodyChance校長ジェレミー・チャンス先生の久々の授業。見てもらったのは、2ヶ月ぶり。学んだことの前半は前回の稿、「マウスピースと唇から、全身へ」にまとめました。今回はまた別のテーマです。 テーマ: 明確なプランが身体を準備してくれる 管楽器の演奏には、呼吸の力をたくさん使います。 種々の腹筋、そして骨盤底筋群。腰部や腹部で非常に強い力を必要とします。 文字通り、力を使う。能動的に「力を使う/動かす」のです。 強い圧力を胴体に作り出しており、それに対応して安定を保つため胴体全体も張りがあります。楽器を支える為にも筋肉の張りは高まります、全身の力を使います。安定作用は受動的な力のものも多く含まれますが。 力を能動的にも受動的にも使うわけですが、それは何の為か? 音を奏でるためです。 力を使うタイミング、場所、量、方向。全ては奏でたい音が決めています。 その力を生み出すのは、その力を発揮するのに必要なタイミングに応じています。 力は能動的に使う。それはそうなのですが、この力を生み出しタイミングを測るための「準備」はどうなのでしょう? 私は「力を生み出し能動的に使う」という作業と「その力を生み出す準備」を混同していたようです。 奏でたい音を分かっていて、それに必要な動きを分かっていて、能動的に力を使い、動き動かせば、それらをまとめ準備する作業は身体がやってくれるということを忘れていました。 「自分」の責任でやるのは、 1:奏でる音を考え、 2;必要な動きを必要な力を使って能動的に行うこと。 それでよいのですね。 私は1と2の間の「準備・調整・統合」まで自分でやろうとしていました。 これは身体に任せてよい作業です。 身体のほうが「自分」よりうまくやってくれます。 自分がやろうとすると、絶対過剰になります。動きを硬く悪くする。姿勢も人工的になってしまいます。 身体は、明確に目的と手順を指示しておけば、あとはその通りに必ずやってくれます。 身体が硬いあるいは思い通りに行かないとすれば、それは目的または手順が不明確/現実とずれていて不可能なことなときです。 準備と調整は身体に任す。 自分の仕事は、指示…

  3. ワークショップ・メモその6? 本番&アガリ対策/個別フリーコーチング

    8月21日に実施の「たった1日でうまくなる!管楽器奏者のためのBodyThinkingワンデー・ワークショップ」。おかげさまで満員になりました。この企画構成段階でのメモがあるのですが、それなりに面白いので、公開します。今回来たくても来れなかった方には、ヒントになるかと思います。 メモその1 メモその2 メモその3  メモその4 メモその5 メモその6 ワークショップ・レポート(写真・体験談付き)はこちら 第6部「 本番&アガリ対策/個別フリーコーチング 」 1:「アガリ」って何だ? 震え、口の渇き、心臓のドキドキ、思考の高揚=全て良い兆候 良いものを、「いつもと違う」という理由で「まずい」と捉えていないか? 良いものを「悪い」と捉える=現実とのミスマッチ=緊張とバランスの崩れの源。 2:本番で当てになるもの=現実にマッチした意識的思考。 現実認識の、キャシー3ステップエクササイズ (1:いま感じている事、2:その場の空間時間を五感で感じる、3:好きなものごとを 意図的に考えて建設的なマインドの状態を生み出す) 舞台に立つ=見られる/聴かれる/良い事も悪い事も思われる。これが現実。 →逆らわずに、その現実を能動的に受け入れる。それが舞台に立つと言う事。 全て引き受けるからこそ、楽しい。自分が主役。特別な体験。 マインドを落ち着け、身体が機能できる方法=身体の現実を意図的に考える。 ただし!「落ち着いた感覚」や「バランスのよい感覚」は期待できない! 不安や恐れ、身体の興奮のなかでも、明確な意図があり、「自分はこう意識しよう」という選択を繰り返し行っていれば,身体はちゃんと意図を実現する方(望み通りの音を出す方) に働く。 3:個別フリーコーチング 自由に Q&A。 希望があれば、個別にミニコーチング。 終了&打ち上げ! たった1日でうまくなる! 管楽器奏者のためのBodyThinking ワンデーワークショップ 満員大盛況。ありがとうございました。 ・管楽器奏者のための BodyThinking とは? ・ワークショップ・カリキュラム ・ワークショップ・レポート Basil Kritzer ホルン&金管トレーナー。 BodyThinking認定コーチ ThinkingBody 認定コーチ 京都華頂女子高等学校音楽科ホルン科講師。 香港生まれ、京都育ち。ドイツ・エッセンフォルクヴァン…

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