自由な演奏と基礎練習の関係

– – – –
「基礎」や「技術」の有無やレベルと、「演奏する自由」「演奏する権利」を引き換えにしてしまわないこと。これ大事です。

たちえば、高音が出るように「なったら」あれしようこれしよう、というふうに考えるより、「高音が出るとしたらなにしたいか」を考えてみましょう。そこで浮かんできた望みやビジョンに向かって、まっすぐ「いまできる次の一歩」を踏み出しましょう。

その方が、演奏を「サポートしてくれる」技術がつくられ身に付きます。

自分の発想や創造性に正直に音を奏で、演奏することを、「自由に演奏する」ことの意味だと定義するとします。

その場合、自由に演奏することを、「基礎ができている」ことと「引き換え」にするのは非常にまずい。なぜなら、基礎とは前述の定義で自由に演奏するためのものであり、自由に演奏しようと繰り返し試みるなかでそれをサポートできる機能を備えた形に作られていくから。

だから、「ちゃんと基礎ができるようになってから、演奏したい曲を演奏しよう」という発想は往々にして、いつまでたってもその曲を自分に演奏させない状況を生み出しがちです。

そして、その曲を演奏するための能力がイマイチつながらずに時が流れ、悲しみが募り、自信が傷付いていきます。。

また、これは日本独特なのか普遍的なのか分からないけれど、「基礎練習」に打ち込むきっかけは、自己否定や自己嫌悪、またはスポ根趣味によるケースを多く見受けます。

それは音楽を構成する「一筆ごとのタッチや質」に興味関心を持つという意味での「演奏技術や基礎への取り組み」とは異質で、緊張した奏法につながってしまいがちです。。

そう、

「自由に演奏する」
=自分の発想や創造性に対して素直かつ正直にしたがって音を奏で、演奏すること

「基礎練習」
=音楽・芸術を構成する「一筆ごとのタッチや質」に興味関心を持ち、実験を繰り返して行くこと

と定義すると良さそうですね。

そうすれば、基礎練習とウォーミングアップの区別も付けやすいですね。

superman-1275374_960_720

また、あなたに「基礎が大事だ、もっと基礎練習をしろ」と言ってきたひとが、実はあなたが自由に楽しんで演奏する様に嫉妬や反感を感じてそう言ってくることも日本の先輩後輩の関係、師弟関係や集団においてあったりします。

その場合、あなたが受け取ったメッセージに基づいて始めた「基礎練習」は、演奏をサポートしてくれるようなものではないかもしれないのです。

有名な演奏家のことを、「あの人は普段、ひたすら基礎練習している!」と例にあげて、「アンチ芸術的(スポ根)基礎練習」を押し通そう、押しつけてこようとするひともいますが、これも間違っています。

その演奏家は多大な時間、「演奏」していることを見落としています。自由に演奏する行為をたくさんしている中での、基礎練習なのです。あるいは自由な演奏をさらに伸ばして行くための、とても創造的な基礎練習なのです。

また、そういった演奏家は、プロとしての激しいキャリアの中で基礎の重要性に気が付いた、ということもよくあります。「基礎練習したからうまくなった」のではなくて、演奏のキャリアを維持しレベルアップしようとする試みのなかで、基礎練習の意味を感じ取っているのです。

実際の演奏との具体的で密接な「関連」を見出しながらの「基礎練習」である場合が多いのですね。

どうもわたしたちは、「つまらなくて単純でハードな基礎練習」というもので自分を「鍛錬」し、苦しめば苦しむほど、「いつかスーパーサイヤ人になれる」というような気持ちで(笑)、「いつかすごい演奏技術が身に付くかも…」と期待しながら漠然と苦しい想いをしながら「基礎練習」しがちのようです。

わたしはその考え方を地でいって、早々に身体を壊し、自信を壊滅的に傷付け、心が弱ってしまった経験を持ちます。そこから抜け出す過程で、いろいろなことを考え直し見直しました。

もし同じところで苦しんでいるひとがいれば、このブログやわたしのレッスンが役立てば嬉しく思います。

Basil Kritzer

ブログでは読めない話もたくさん!ぜひメルマガをGET♪

レッスンの申込や出張依頼などについては、こちら!

自由な演奏と基礎練習の関係」への2件のフィードバック

  1. ホルンです

    基礎の練習は、どのようにするのですか?

    メニューは、なにが1番上手くなりますか?

    • 藤田さん

      いちばん上手くなるメニュー、というものは存在しないと思いますね。
      ひとによってちがうだろうし、同じひとでも時期や状態で変わってくるでしょう。

      まず、このブログを「基礎練習」で検索したときに関連する記事一覧です。20以上あります。
      http://goo.gl/nv9Bp4

      練習のやり方に関して、いくつかおすすめの記事を挙げておくと
      →http://basilkritzer.jp/archives/4554.html
      →http://basilkritzer.jp/archives/1420.html
      →http://basilkritzer.jp/archives/5505.html

      あと、これは実際のホルンの高音の練習の指導を行っている様子の動画です。
      →http://basilkritzer.jp/archives/4629.html

      高音の基礎練習のひとつの例
      http://basilkritzer.jp/archives/35.html

      低音の基礎練習のひとつの例
      http://basilkritzer.jp/archives/36.html

      参考になれば幸いです。

      Basil

藤田 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です