アレクサンダーテクニークは外科手術を学ぶのに役立つそうです。

2010年10月、アメリカ大手ダイエット・健康&フィットネスインターネットサイト 「health.gnoms.es」http://health.gnom.es/
に米シンシナティで行われた外科医向けのアレクサンダーテクニークに関する調査の結果が掲載されました。記事を翻訳してここに掲載します。
(記事原文;http://health.gnom.es/weight-loss/artistic-discipline-meets-modern-technology-to-enhance-surgical-proficiency)

外科手術と、ホルン演奏。最高度の集中力の維持や姿勢のバランスの維持など、共通点は多いと思うので、示唆に富むと思います。


芸術的アプローチが、外科手術の習熟に効果。

もう1世紀も前に、シェイクスピア俳優 F.M.アレクサンダーによって発展した姿勢改善のための技法。
彼自身は慢性の喉頭炎に悩まされたのをきっかけに発見したもので、姿勢の改善に加えて、外部からの刺激を最低限に抑えて手術しなければいけない外科医たちの、
技術の熟達をむ促すー。

以上はシンシナティ小児病院医療センターによる調査の結論です。
10月2日にサンフランシスコで開催された、アメリカ小児科学会年例会で発表されました。

調査では、アレクサンダーテクニークが手術施術時の姿勢と、腹腔鏡を用いた泌尿器系検査の技術の向上にどれほど効果を持つかが研究されました。
外部からの刺激(侵襲性)を最低限に抑えねばならない泌尿器系外科的技法には、棒状の外科器具を非常に小さな切開口に通し、極小のカメラで患者の体内を内側から近づいて見る、というものがあります。

シンシナティ小児病院医療センターの小児泌尿器科主任兼主任治験調査員のプラモッド・P・レッディ医師は言います。
「この調査の目的は、この技法(アレクサンダーテクニーク)が外科技法の人間工学的側面を向上させ、技術の習熟に寄与することを証明することにあります。
 大学院レベルでの外科手術訓練の一環に必要なトレーニングのひとつとして組み入れられるべきです。」
「侵襲性を最低限に抑える手法は、外科医や助手に、胴体と手足で不自然に固定された姿勢を維持させます。これが原因で自然な姿勢の動きが妨げられ、不快感や疲労さらには怪我につながる場合さえあります。」

F.Mアレクサンダーは1869年にオーストラリアで生まれた俳優で、演技中に慢性の喉頭炎に悩まされるようになりました。
当時の医師には彼の役に立てる者が居なかったのですが、自分自身で解決策を見い出しました。
鏡を使って自分自身の姿勢と筋肉の動きを見て観察できるようにし、正しい姿勢を発見し、良い呼吸とスムーズで柔軟な筋肉の動きが彼の状況を改善しました。

アレクサンダーは自分の発見した方法を洗練させ、これまで長年は主に俳優や音楽家によって取り入れられてきました。
実際、レッディ医師ははじめは自身の娘で大学生・バイオリン奏者のトリーシャから聞いたのがきっかけです。

泌尿器系外科手術における調査では、いずれも同センターに属する泌尿器科の医師4人と研修医3人を対象にしました。
対象となった7人は、アレクサンダーテクニークのレッスンで学んだ後、より短時間で腹腔鏡検査を行えるようになり、能力の向上を証明しました。
7人は姿勢が良くなり、胴体と肩・腕の安定性が増し、一連の腹腔鏡検査のスキルの向上を見せました。

「アレクサンダーテクニークのレッスンプログラムは、姿勢の改善と、胴体・肩の耐久性に絶大な効果をもたらしました」
と調査員たちは発表で述べました。
「手術中の姿勢と耐久力の向上は、術後疲労が起きる率を減らします。手術中の疲労は手術ミスと関連があることが分かっています。
 アレクサンダーテクニークのレッスンは、疲労の絡んだ手術ミスを減らす可能性を持つのです」

レッディ医師によると、次回の調査ではより学際的に各分野を跨いださらに大きなスケールで、アレクサンダーテクニークがいかに泌尿器科のみならず、より伝統的な切開手術の場合でも
人間工学的に効果を持つかを研究する、とのことです。

この調査には、アメリカ・アレクサンダーテクニーク教師協会のジェニファー・ルイーフランコーリ氏、同協会でシンシナティ・シュリナーズ小児病院放射線医療科のロイス・コーン氏が参加しました。
両者ともに、この調査のアレクサンダーテクニークのレッスンと姿勢測定を指揮しました。また、シンシナティのザヴィール大学在学のトリーシャ・P・レッディも協力してくれました。

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