【口がすぼまってしまう悩み】

アマチュアトロンボーン吹きの方からメール相談
こちらを頂きました。


【質問者】
以前2回ほどレッスンを受けたことがあります。その時にもご指摘いただきましたが、自分の意志とは反して、音を鳴らすときに口を窄める動作をしてしまい、その動作が発動した場合、息がうまく吸えない&音が全く出せなくなってしまいます。この動作は楽器を構えて口にマウスピースを当てる段階で作動されます。音が出せたとしても、音が伸びておる間などでも発生してしまいます。

自身で観察していても、下唇下制筋、口角下制筋に異常なくらい力が入ってることを感じていますが、力を抜く、もしくは力を入れなくても良いと考えるようにしてもどうしても動作が発動してしまいます。無理やり音を出し続けているとたまにその動作が解除される時もありますが、解除条件が見出せず苦労しています。

別の癖として吹く瞬間に上半身が前に出る、顎を引いてしまう癖があり、顎の下の空間を広げるように意識すると、窄める動作がほんの少しだけ解除されるような気がしますが、音はまだまだ出しにくい状態です。

自分なりにマッピングを色々試していますが、なかなかうまくいかずアドバイスいただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

***

【バジル】
おはようございます。

①レッスンでお会いしたとき、ディストニアのお話はしましたでしょうか?
②現状の録画を見せてもらえますでしょうか?

***

【質問者】
ご返信ありがとうございます。

>>①レッスンでお会いしたとき、ディストニアのお話はしましたでしょうか?

お伝えしましたが、レッスンが進むにつれてこの時は解消されていきました。バジル先生はどうお考えになられていたかは存じ上げませんが、この動作の解消が最終目的ではなく、鳴りムラ、音の安定性を高めるために、アンブシュアモーションやブレス、練習方法についてのレッスンだったと記憶しています。
ちなみにアンブシュアモーションは、セッティングそのものが左寄りで、

高音ほど左下、低音ほど右上でした。

>>②現状の録画を見せてもらえますでしょうか?

所属している吹奏楽団で吹いている様子を撮影したのでご確認ください。容量大きくてすみません。この時は比較的症状がマシな方でした。音が鳴る前から口角が下がる動きをしており、特に曲を通すとよりコントロールが効かなくなります。

本来であれば直接レッスンに伺いところですが、時間が取れないためメールで失礼します。

よろしくお願いします。




***

【バジル】
アンブシュアモーションではなく、ディストニアについてはお話ししましたか?

一通目のメールで描写されたような症状はたしかにあまり見当たらないです。口角の下がり方はおかしいことや悪いものには見えません。

印象としてはマウスピースが顔面から浮きがち離れがちに見えます。また、顎が前に出ようとしているように見えます。マウスピースにくっつこうとする動きかもしれません。

顔を下げて、上唇にマウスピースを被せるようなベルがちょっと上がるような角度にすこししてみるとどうなるでしょうか?

また、そもそもの当てる場所を全体的にもっと左にすると良いかもしれません。その場合、顔が下かつ右を向く感じです。

***

【質問者】
ご返信ありがとうございます。
ディストニアについてのお話はお聞きしていないです。

近くに楽器がない状態なので、後日試してみます。
私自身ご指摘のように勝手に顎が前に出てしまう感覚もあります。

以前レッスン頂いた時の音出し段階の動画もお送りしますので是非ご確認ください。私的にはレッスンの時の方が症状がひどかった感覚です。




***

【バジル】
顎が出るのは、それを抑えようとしてもうまくいかないと思います。

“出てこなくて済む状況が作られる”

“出てくるのが正しくフィットする状況が作られる”

のがおそらく解でしょう。

最初に描写されたものから連想したようなことは起きていません。そして、この動画を見てもやはり、基本の当て位置がもっと左にすると良い気がします。

また、呼吸法もいまは胸式で吸って腹式で吐くような感じになっています。

胸式
肩を持ち上げながら吸い、肩を持ち上げ胸を膨らませたまま保ちお腹を凹ませて吐く

腹式
お腹を膨らませながら吸い、お腹を膨らませたまま保ち胸を凹ませて吐く

のどちらかにして発音することをやると良いかもしれません。

***

【質問者】
>>最初に描写されたものから連想したようなことは起きていません。

そうなんですね….そうなると私が都合悪いと感じているのはセッティングの都合かもしれないですね。

ちなみにかなり左にセッティングした時、息の向きも同時に左(マウスピースの中心)に向かって吹く事が望ましいでしょうか。それとも息の向きは意識しなくても良いでしょうか。

>>また、呼吸法もいまは胸式で吸って腹式で吐くような感じになっています。

以前、レッスンで息を吸う際に「い」の口で浅く吸ってとアドバイスを頂き、また直近バジル先生のブログでは呼吸法について取り上げられている事を拝見し、自分は胸式が合っていると考えていました。

一つ目の動画時にはお腹を凹ませて吹こうと意識していましたので、腹式の吐き方になっているとは気づきもしませんでした、、、、動画を見直したところ、ブレスをした後に肩が下がっていますね。ブレス後の肩キープ意識してみます。

***

【バジル】

>>ちなみにかなり左にセッティングした時、息の向きも同時に左(マウスピースの中心)に向かって吹く事が望ましいでしょうか。それとも息の向きは意識しなくても良いでしょうか。


この文脈では、とくに意識する必要ありません。息の向きは、考えるなら上向きが下向きかについて。アンブシュアタイプとの関連になります。

>>動画を見直したところ、ブレスをした後に肩が下がっていますね。ブレス後の肩キープ意識してみます。


ぜひ、それを試してみて下さい。

***

【質問者】
早速アドバイスを参考に楽器を吹いてみました。

改めて気づいたんですが、今まではマウスピースセッティングの順番を下唇→上唇としていましたが、上唇から抑えるように意識をすると、これまで感じていたストレスを全く感じなくなりました!!

ただ、

・胸式呼吸を完全に意識できていない
・音程が上ずる
・音色が安定しない
・右下を向く事で首左側に違和感

という点はありますが、慣れが足りないのかなという感触です。

動画も撮ってみたので参考までにご確認ください。
しばらくアドバイス頂いた点意識してみようと思います。




***

【バジル】
もっと左下を基本セッティングにして
音の上昇時さらに左下
音の下降時もっと右上

いまのセッティングで
音の上昇時は左上
音の下降時は右下

という2つの異なるアンブシュアタイプを比べてみるとどうでしょうか。

ただ、いずれももっと強くマウスピースと顔面の骨を接触する必要がある印象です。

呼吸法は、この動画ではほとんど腹式呼吸です。先のメールに書いたようにやり比べてみるとどうでしょう。

***

【質問者】
呼吸法の比較までできなかったので、胸式(のつもり)でアンブシュアモーションを検討してみました。

プレスを意識しながら、

いまのセッティングで
音の上昇時は左上
音の下降時は右下

もっと左下を基本セッティングにして
音の上昇時さらに左下
音の下降時もっと右上

をやってみました。

やればやるほどどちらが良いのか段々わからなくなってきてしまいました。

音の上昇を左上にしたほうが、空気の音がしにくいような気もしましたが、動画を見返すと顔も一緒に動いてしまっていました。







***

【バジル】
いまのセッティングで
音の上昇時は左上
音の下降時は右下


の方があきらかに安定してますね。
普段よりもさらに、です。

タンギングが伴う音階より、自然倍音のリップスラーの方が基本奏法の機能性は分かりやすいと思います。

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