【吹奏楽デモクラシー『八賢人との対談』】

【吹奏楽デモクラシー総集編】

本書は、電子書籍シリーズ「吹奏楽デモクラシー」をまとめたものである。

電子書籍シリーズの「吹奏楽デモクラシー」は2020年コロナ禍の初期に制作に着手したもので、吹奏楽の分野に関係した指導者や演奏家との対談とエッセイにより構成されている。

このシリーズを「吹奏楽デモクラシー」と命名した理由については、シリーズ開始当初に書いたものがあり、それはp4からの前書きに掲載している。

それからシリーズ8作、二年の時を経て、このタイトルはわたしの価値観と少しズレていることを自覚するに至った。

わたしが吹奏楽、より正確に言えば日本の学校吹奏楽を中心とする音楽教育を受けた人々、いまも受けている人々、いまその教育を行う側の人々、更には吹奏楽に限らず音楽大学で学ぶ人々、音楽大学で教える人々に届けたいメッセージの核心は「デモクラシー=民主主義」ではなく『個人主義』にこそある。

チャーチルによる、よく知られた名言に

『民主主義は最悪の政治形態といわれてきた。
他に試みられたあらゆる形態を除けば』

というものがある。

民主主義は政治形態であり、現状一番マシかもしれないもので、様々な欠陥があり、歴史の中で形を変えるものであろう。

そしてその民主主義が何においてマシなのかといえば、それはまさに個人を侵害する全体主義の抑止をするうえにおいて、ということだ。

尊重されなばならない事は、個人の自由・自主・自律・責任であり、警戒し排撃しなければいけないものがそれらを侵害する全体主義である。

民主主義という形態においても、個人の侵害と全体主義への傾斜は起こる。それを防いだり軌道修正を図るには、個人主義の価値観と哲学の啓蒙が必要である。

本書は、全体主義への批判の書である。学校吹奏楽や日本に対する批判ではなく、学校吹奏楽や日本の中にある全体主義への批判である。

その批判の方法は、音楽演奏とそのための練習における個人の自己実現の方法と軌跡、そして吹奏楽部指導を通じた吹奏楽部員の個人々々の自己実現の後押しの可能性を探ることに拠る。

全体主義のカタルシスに酔うてはならない。それは、教育者が生徒を精神的、知的に殺すことを美化している。

全体主義から受けた傷を、膿ませたまま放置してはならない。それはあなたを蝕み続ける。あなたはあなたの個人主義を取り戻さなければならない。

本書がそのきっかけとなることを祈る。

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