<ステップ1>
① 頭を動けるようにしてあげて
② そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
③ 「いま何を演奏したいか」を自分に問いかける(曲、フレーズ、音階、一音、なんでもよい)
<ステップ2>
① 頭を動けるようにしてあげて
② そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
③ ステップ1で得た答えを演奏する
<ステップ3>
① 頭を動けるようにしてあげて
② そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
③ 曲に取り組むときは、譜面を見て、自分の音を聴きながら、書いてある事を読み解き、理解を進め、創造を行う。
<ステップ4>
① 頭を動けるようにしてあげて
② そうすることで身体全体を動けるようにしてあげて
③ ミスをしたときは、「演奏したいものを演奏したいから演奏しているんだ」ということを思い出し、創造活動に戻る。
高校でトランペットを吹いています。
レッスンの先生に教えていただいて、バジルクリッツァーさんのブログを拝見するようになりました。
質問は二つあるのですが、
まず、一つ目は指回しとタンギングについてです。
四分音符=168の三連符がコンクール曲で出てくるのですが
指がすべるのとタンギングが合わないために
うまく吹けません。
四分音符=100ぐらいのゆっくりなテンポから上げていくという風に
練習しているのですが
四分音符=144ぐらいから失敗する確率が高くなってしまいます。
合奏では、練習でうまく出来ていないために
失敗すると思ってしまい、緊張して全然吹けません。
どのような練習をすればいいでしょうか?
二つ目はハイトーンについてです。
私はハイトーンがとても苦手で、ハイB♭が出るようになったのも最近です。
チューニングB♭の上のGぐらいから、
明らかに音質が変わってしまい、カスカスな音でしか鳴りません。
どうすれば、しっかりと密度の濃い音を鳴らせるようになりますか?
音が高くなればなるほど、プレスして吹いてしまうのですが
これは直すべきですか?
返事をよろしくお願いします。
トランペット吹きさま
はじめまして。
コメントありがとうございます。
> 一つ目は指回しとタンギング
実はですね、「ゆっくりから上げていく」方式は、途中で行き詰まることが多いのです。
それは、メトロノームという「機械」にとっては「均等」に進んでいても、
「身体」という「有機システム」にとっては、わずか ♩=10 の変化でも、内部ではまったく「別もの」になることがあるからです。
そこで、
① はっきりくっきり明確に頭の中で音が思い浮かべられる「ゆっくり」練習
② 最初から♩=168 でさらう「インテンポ練習」
を組み合わせてみると効果があるかもしれません。
①は、
・ソルフェージュの練習=「音を出す」作業を身体にさせるためには、「音で考えている」必要があるため
・ひとつひとつの音の練習=フレーズを構成する音ひとつひとつや前後関係の「身体感覚」がゆっくりだと明確に感じる時間があるため、感覚的な安心感を得られる=苦手意識が減る
という側面があります。
②は、
・速いスピードで明確にソルフェージュする練習=たぶんこれができていないから行き詰まる一要因になっています
・速いスピードで身体にやる「チャンス」を与える=ある時点から、音の変化の方が、「ひとつひとつの音に対しての身体感覚・運動感覚」を感じるスピードより速くなります。そうなると、前もって「どんな感じがするか」は予想できません。したがって、感覚が伴わないなかでも身体に「インテンポでやらせてみる」必要があります。やらせてみているうちに、わりとすぐに身体はそのスピードの運動をできるようになります。
この際、
「はじめはボロボロでも気にせず決めたところまで吹き通す」
ことが大切です。
ミスしたところを「直す」ことをやっていると、実はそれは「ミスする練習」になってしまうのです。
ですから、ミスしたかどうかは全くどうでもよく、とにかく「インテンポで決めたところまで吹く」という機会を繰り返し身体に与える必要があります。
そうしているうちに段々、身体が、あなたがインテンポで持っているイメージ=身体への指令を現実化できるようになってきます。
> 二つ目はハイトーンについて
まず、チューニングBbとその上のGとでは、「どの倍音を吹いているか」が違います。
ですから、単なる「6音上」ではないのです。
ちょうど2日前、同じような質問に答えました(ホルンですが)。
きっと参考になると思います→http://basilkritzer.jp/archives/1578.html
第一歩は、チューニングBbと同じように演奏しようとしないことです。
Gになったら、G用の「動き」を身体がしてくれる必要があります。
チューニングBbより6音上のGの方が、息を吐く力=お腹を凹ます力、ベロを動かす力(高い音ほど、ベロが上にあがっていきます)、口を閉じる力を必要とします。
そしてこれらの力が増えれば増えるほど、プレスもまた必要なのです。
プレスは、マウスピースから口方向へのプレスであるかぎりは、思いっきりやって大丈夫で。
グイグイプレスしましょう。
問題なのは、頭と首をマウスピースの方に押しつけたときです。
もしそれに気付いたら、マウスピースを口に向かって動かすようにしてください。