【高い音に行くとマウスピースが下に動き雑音が混ざる・・・どうしたらいいの?】

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学生トランペット吹きのからメール相談を頂きました。

【質問者】

以前して頂いた対面レッスンでは、私は金管楽器アンブシュアタイプ分類では中高位置タイプだと教えてもらいました。

私は音が高くなるにつれてマウスピースの位置が下がってしまいます。位置が下がると音に雑音が入ってしまうため、今現在、マウスピースの位置を以前より高めにするように練習しています。

しかし、歯並びにおいて上の歯が下の歯よりも前に出ているため、吹いているとマウスピースの位置がだんだん下がってきてしまいます。マウスピースの位置が下になると雑音が混じると思うので、その位置になりたくないのですが、どうしても下がってしまいます。

この場合どうしたら良いでしょうか。

ちなみに、マウスピースの位置が下がるほど高い音は出やすいですが、雑音は混じりやすくなります。

よろしくお願いいたします。

【バジル】

書いて頂いた文章を読むと、

①高い音のときに雑音がする
②高い音にいくときマウスピースの位置が下がる
③マウスピースの位置が下がるから雑音がするのだ
④でも位置が下がらないようには吹けない

と考えておられますね。

しかし③が間違いの可能性が高いです。

雑音の原因はマウスピースの位置が下がるからじゃない可能性の方が高いです。

高い音を出す、音を上がるということがうまくいってないから雑音が生まれている可能性の方が高いでしょう。

高い音を出す、音を上がるのに必要な動作・操作には

・息の変化
・アンブシュアの変化
・プレスの変化
・マウスピースの位置の変化

が関わります。4つ目のマウスピースの位置の変化はむしろできているわけで、それ以外のことが何か不足またはズレていて雑音につながっているかもしれません。

マウスピースの位置の変化も、不足または細かい左右の位置のズレの可能性もあります。

位置が下がるからうまくいってない可能性が一番低いです。もしそれであれば、超高位置タイプの吹き方が合っていることになり、音上がるときにマウスピースの位置が上がります。可能性は低いですがゼロではありません。

【質問者】

アドバイスありがとうございます。

マウスピースの位置が下がるのは問題ではないことがわかりました。

今日も練習をしていました。私のアンブシュアは右下寄りでした。

今日、練習している時にマウスピースの位置を真ん中にしてみました。(小学生の頃まではずっと真ん中でした。)そこでもやはり下顎は高い音になるにつれて引っ込んでいくので、マウスピースの位置も下がります。

位置が下がるのは問題ないとのことでしたので、そのまま吹いていたのですが、今まで右寄りで出ていた高音はほぼ出なくなりました。

私としては、真ん中の位置にマウスピースを持ってきたいです。

また、右下寄りのマウスピースの位置でも音がカサカサして、高音もあまり出ないです。

どの位置でも高音が出ないようになってしまい(低音は出ます。)、今どうしたらいいのかわらなくなりました。

これは、ロングトーンなどで慣らしていくしかないでしょうか。毎日、不安定な状態なので、安定した状態を保ちたいです。また、演奏会でトランペットを吹く予定なので、それまでには満足行くように吹けるようになりたいです。

気持ちだけはあるのですが、技術が追いついていないようです。プロのようにとは言いませんが、曲を楽しめる程度に吹けるようになりたいと思っています。

これだけはした方がいいと言う練習なども教えていただけると嬉しいです。

昨日のアドバイスでかなり気持ちの面が落ち着きましたが、今は何をどうすべきなのか把握しきれていません。長々と申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

【バジル】

マウスピースを真ん中にしようと思った理由に『マウスピースの位置が悪いからうまくいっていない』という発想があるのだとしたら、それは前メールで書いたことと似たような話になりますね。

位置の修正により何かがよくなる可能性はありますが、真ん中にするよりはもっと右とかもっと下とかのほうが正しい可能性は高いですよ。小学生のときはまだ骨格が未発達ですから、成人してからの位置のほうが合っている可能性は高いです。

そもそも真ん中が良いとか、真ん中でないのは良くないというようなことは一切ありませんから、真ん中とか左右対称となそういう考え方は一切しない方ことを強くオススメ致します。周り道してしまうだけです。

まずは、高い音が出ないから奏法をいじくり回そうとするような練習の仕方や、何度も繰り返したりやり直したりして疲れるような練習の仕方をやめましょう。

そして、自分のいまの体力や技量に合わせて楽しく吹けるような教本やエチュードなどを探したり抜粋したりしましょう。

あとは、自分なりの、高い音を出せるようになっていけるにはこうしていくといいんじゃないかという仮説を立ててそれに沿ってやっていくようにしましょう。

ただし、さっき述べたように見た目を変えるべきみたいな発想や、根性やひたすら努力みたいな発想は無しで。

【質問者】

そうですね。

今日午前中から練習している時に、右下寄りのアンブシュアに戻してみました。

最初は雑音がやはり入っていたのですが、かなり右下の方に寄せてみると少し雑音が減ったように感じました。そこは良かったと思います。

その代わり、少しだけ音の鳴りが弱くなったかなとも感じます。私にとってはそれはあまり気になる点ではありませんが、曲中のfとかffの時にどう鳴らすかはまた後々課題になってくると思います。

また、雑音が減ったとはいえ、アタックの時にたまに雑音が混じるのでそこは気になります。

今まで、雑音が混じるのが嫌でアンブシュアをいじくり回していて、それで落ち込んだりしていましたが、今回の相談でかなり良い方向に持って行けたと感じています。

もう一点気になることは、高音が細い音色に聞こえることです。

【バジル】

最初のメールに書いたように

高い音を出す、音を上がるのに必要な動作・操作には

・息の変化
・アンブシュアの変化
・プレスの変化
・マウスピースの位置の変化

が関わります。

息に関して言うと、高い音ほどたくさんの息で唇を振動させます。息の吐き加減は高い音のほうが強いのです。

それをしないで高い音に向かうと、アンブシュアを閉じる力や舌を持ち上げる度合いが増えて音がキツくなるとか細くなるようなことが多いと私は考えています。

ただ、個人差もあると思うので一概には言えないのですが。

2通目のメールに書いたように、自分なりの、高い音を出せるようになっていけるにはこうしていくといいんじゃないかという仮説を立ててそれに沿ってやっていくようにしましょう。

どうするか、何するかということに関して自分なりの意見や考えを持つとよいのだと思います。

そうしないと、ただ『うまくいってない』ことに意識がいき、なぜそうなのかとかどうするといいのかということに意見が行かず、ただただアンブシュアが悪いとか才能がないとか努力が足りないとかいった落ち込む以外の効果のない発想になってしまうんです。

意見や考えがあれば、結果が出なくてもそれは意見や考えをまた作り変えるためのデータになるわけです。

【質問者】

アドバイスありがとうございます。

どうしたら出来るようになるか、自分なりの意見を持って行きたいと思います。また、できないからと言って焦らないよう気をつけたいと思います。

今回の相談でアンブシュアについてかなり良い方向へ持っていくことができました。相談して良かったと思っています。

また、悩むことがありましたら、この相談を利用したいと思います。ありがとうございました。

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