胸式とか腹式とかどうでもいいから、全式でいきましょう。

誤解と、誤解による苦労や問題や故障や悲劇が多いポイントを述べるとすれば‥‥ 分かっておくと役立つ簡単な話を以下ツイートしてみよう。

息を吸うとき、肩が上がるのは自然です。腕構造は肋骨の上にあるので、息を吸うと肋骨が上がるのを受けて、肩も上がります。オペラ歌手、みんな胸や肩がたくさん動きますね♪ 肩を下げとこうとするのは、すごく吸いづらくなるし、むしろそれは吐く働きを刺激しちゃう。肩凝りや腰痛も起こしやすい。

息を吸うときはお腹に力入れなくてOK。お腹の力は、吐く力。お腹の力を吸うときに使ってると、やっぱり吸うと吐くがかち合ってすごく吸いづらくなります。吸うときは、お腹は無罪放免!

お腹を前に押しだす必要はありません。まず、お腹を前や外に押しだす筋肉はありません。やろうとすると、軸を崩しちゃって骨盤を前に押し出してしまいます。すると息を吸うのも吐くのもしづらくなります。脚がロックされて立っているのも楽器を構えるのも大変になっちゃう。

息を吸うと、横隔膜が下がって(要注意:下げようとしなくて大丈夫です。どうせ下がるから)、すると内臓が移動します。内臓の動きが、外からお腹が前に出たように見えるんですね。だからお腹を前に出さなくてもいいんです。見た目に目立つかどうかは人それぞれだけど、みんな必ず勝手に前に出るから。

じゃあ、お腹は何するの?息を吐くときに大活躍します。管楽器演奏に必要な息のパワーの主役はお腹。お腹に手を当てて、喉を痛くしないように気をつけて『オッ!』といきなり大声を出してみて下さい。そのときお腹に力が入って働いたのが分かりますか?これがお腹を使う、とか腹式呼吸の意味です。

そして息はどこに向かって吐くの?楽器に吹き通すイメージ?ホールに飛ばすイメージ?前に飛ばすイメージ?いいえ、口の中の天井の硬いところ。そこまで息を流す・当てると考えましょう。

基本的にはここまで理解し意識すればとりあえず十分かな?あとは骨盤底とか、息が通る場所とか、細かい話・深い話があるけれど、基本は大丈夫。もっと掘り下げるなら、ヨガの深いこととか、黒坂洋介さんの呼吸法とかに進むことになると思います。

腹式呼吸、胸式呼吸という言い方がすでにちょっとおかしいのかもしれない。呼吸はお腹も胸も全部動いています。だから、「全式呼吸」というのがベストですね。

腹式が「何としてでも身につけなければならない正しい呼吸法」、胸式が「軽蔑すべきダメダメな呼吸法」という雰囲気が吹奏楽部内、管楽器教育界ではただよっていますよね(笑)以前よりそういう偏見はずいぶん減ったとは思うけれど。

なので腹式か、胸式か、どこを動かしてはいけない、どこを動かさねばならないか、という考え方って、どこか暴力的で、「できないヤツはおわってる」的なのが自分にも他人にも向きやすいんですよね。教える、育てるということからはほど遠い。

それよりも、「息が入ってくるとき、どこが動きたがるかな?」「どこが自然と動くかな?」「息を吐くとき、どこがとくに働くかな?」「どこを働かすと、自分の望んでる音に近付くかな?」という好奇心をベースにした探求的姿勢で問いかけていきたいものですね。

そして基本的には、「動く=良い事」と捉えたほうが良いかと思います。動かないように、動かしてはダメ、という思考は、ほぼ100%緊張をもたらします。

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