楽器演奏や歌唱の指導をするときに、『直した方が良いと感じること』を感じたときに、
⤵何度指摘しても変わらない
⤵すぐ元に戻る
という状況に困っているという状況を指導者は日常的に体験しています。
教える方も、教わる方もモヤモヤイライラして終わってしまうのは、
『直すと良いと思うことを見つける』
↓
『やめなさい、あるいはこうしなさいと伝える』
↓
『変わらない、元に戻る』
というサイクルを辿り続けているときです。
実は、間にいくつものチェックボイントと分岐路があります。それを丁寧に辿ると、無益なサイクルから様相が変わってきます。
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『直したほうが良いと感じること』
↓
☑伝える A
☑伝えずに見守る B
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『直したほうが良いと伝える』 A
↓
伝えたことを本人は
☑自覚している C
☑自覚していない D
『変える術を』
↓
☑あなたは知っている E→K
☑あなたは知らない F
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『本人は自覚している』 C
↓
☑変える術を本人は知っている G
☑変える術を本人は知らない H
『本人は自覚していない』D
↓
☑自覚させる術をあなたは知っている I
☑自覚させる術をあなたは知らない J
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『変える術が機能した』K
↓
☑それが有益な結果をもたらした L
☑それが有益な結果をもたらさなかった M
『有益な結果がもたらされた』L
↓
☑それが有益であったと本人は理解した N
☑それが有益であったと本人は感じない O
『有益だと理解してもらう術』O
↓
☑あなたは持っている P
☑あなたは持っていない Q
– – –
『有益な結果をもたらしかつ本人はそれを理解している』N
↓
☑なので望ましい状態が定着する R
☑なのに望ましい状態が定着しない S
『定着させる術』S
↓
☑あなたは知っている T
☑あなたは知らない U
『定着という結果』T
↓
☑得られる V
☑得られない W
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このように、細かな確認ボイントが実はあるのが分かりますか?
確認方法は、
◎相手に尋ねること(会話)
◎自分に問うこと(内省)
です。
相手、そして指導者であるあなた自身との会話ですね。
指導者であるあなた自身が、どの時点で相なら手の状況を改善・前進させる術を持っていないかが判明すると、進捗管理ができます。
また、こうして丁寧にチェックしておくと、相手が理解していないが故に前進しなくなっているボイントが実はあったときに、それに気付くことができます。
基本は一貫して、
◎指導者であるあなたの行動・選択は相手の状況の前進・改善に有益だったかどうか
◎その結果を、相手は理解・実感しているか
に常にアンテナを張ることです。
Basil Kritzer