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【基本は、ソフトタンギングにあり!】
まず、タンギングは
・いかに速くできるか
・いかに強くできるか
・いかにもつれずにできるか
ということを頑張るものだと思っていたり、そう教わったり、なんとなくそういうものだと感じているというひとが多いでしょう。
でも、実はこれがタンギングの悩みのもとです。
《タンギングの基本》
タンギングの基本は
『息で鳴らしている音をじゃましない、とてもソフトなタンギング』
にあり、そしてこれはだれでもわりとすぐにできるものです。
《実感しよう》
ロングトーン→タンギング
①出しやすい、好きな音をひとつ選びます。
②その音をロングトーンしましょう。
③できれば、発音のときにタンギングなしでやってみてください。フワーっという音の始まりかたでOKです。難しい場合はふつうでOKです。
④息で唇・リード・管を振動させよう、とけっこう意識しながらロングトーンしましょう。ちょっと息多めで、お腹を使ってたっぷり、わざと息を吐いて。
⑤ロングトーン中の音の鳴り、響きはちょっと大きめに。そしてその音をよく聴き、感じておきます。
– – –
ちょっと休憩
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⑥できれば、タンギングなしで発音してフワーっという始まり方でロングトーンします。
⑦こんどはロングトーン中に、してるかしてないかわからないぐらいの、とってもソフトなタンギングを何度かします。息はしっかり吐きながら、でもタンギングはとってもソフトに。
⑧ポイントは、ロングトーンだけしているときの音をほんとにじゃましない、替えないようにすることです。あるいは、ロングトーン中の豊かな鳴り・響きをよく聴きながら、それを最優先にできる《やわらかい・ちょっとだけの》タンギングをしようとしてもよいでしょう。
《応用》
①あなたにとっていちばん簡単な音階を演奏します。
②ひといきで演奏できるはやさで、ゆったり落ち着いて。
③まずは、ぜんぶスラーで。
④次は、スラーのときのなめらかさとほとんど変わらないくらいの、しているかしていないかわからないくらいのソフトなタンギングで。息はしっかり吐きながら、でもソフトなタンギングで。
⑤音階でできたら、アルペジオ、曲のワンフレーズなどほかのことにも同じようにやってみましょう。一回はぜんぶスラーで。つぎ、タンギングしたいところで、とってもとってもソフトなタンギングで。息はしっかり吐きながら。
《速いタンギングや、ダブルタンギングなど》
やがては、もっと速いタンギングや、ダブルタンギング、トリプルタンギングにも取り組むときがくるでしょう。
そのとき、あなたのがタンギングの基本として《響く音のままで、とってもソフトなタンギング》を理解して身につけていれば、あとは同じようにできるだけソフトなタンギングで、
速いタンギング
ダブルタンギング
トリプルタンギング
などにチャレンジしましょう。
速くできない、
もつれてしまう、
はやさが揺れ動く、
など慣れないうちは色々と不完全な結果があるでしょう。
でも、そこで焦らないこと!
ここで、「完璧にできない」ということに対して焦って力づくでなんとかしようとしたり、ひたすら回数を頑張ろうとしたりすると、大事な基本《響く音のままで、とってもソフトなタンギング》から離れてしまいます。それは遠回りです。
うまくいかなくても、おなじ基本を当てはめて、3回くらいやってみましょう。その3回のあいだに、完璧にならなくても少し良くなったり吹きやすくなれば、それでGOODです。
一日で、あるいは短期間でできるようになろうと無理に頑張るより、
ちょっとずつでも確かにできるようになっていけば、
気づくといろんなことができるようになっていきます。
Basil Kritzer