吹奏楽部中学生・初心者向け【Q7:どうすれば小さい音で吹けますか?】


【Q7:どうすれば小さい音で吹けますか?】

じつは、管楽器は「小さい音」をじょうずに吹くことがいちばん、ハイレベルなチャレンジです。

でも、すごく難しいわけでも、大変ということでもありません。

ちょっと勇気は必要かもしれませんが、だれでもちゃんと身につけていくことができます。

いちどやり方を理解して練習していけば、小さい音の演奏は、とてもやりがいのある楽しみになってくるでしょう。

《うまくいかない方法》

とにかく、音を小さくしようとする。
とにかく、息を少なくする。
とにかく、音を目立ないようにしようとする。
とにかく、慎重に吹こうとする。

これらはいずれも、

逆に怖くて緊張してしまったり、
息が不安定になって音が乱れやすくなったりしがちです。

でも、多くのひとはこういううまくいかないやり方でなんとかしようとしてしまいます。

どうやって音を小さくすればいいのか、分からないからですね。

《イメージの仕方》

小さい音を吹くとき、

イメージとしては自分の音を小さく小さくしようとしたり、
自分の音を消そうおさえよう、

こういうイメージになりがちですが、うまくいきにくいです。

かわりに、

『じぶんの周りの【静けさ】をふやそう』

とイメージしてみましょう。

シーン、という静かな感じ、無音の感じに耳を澄ませます。

音をデクレッシェンドするんじゃなくて、
じぶんのまわりの空間の【静けさ】【無音】をクレッシェンドしよう、

そういうイメージです。

《実際のやり方》

音を小さくするには、

金管楽器=唇
リード楽器=リード
フルート=マウスプレート

に届く息の量を減らす必要があります。

でも、これを「吐く息を減らす」ことでやると、息が不安定になり音が乱れやすく、弱々しくなります。うまくいきません。

かわりに、

「しっかり吐くけど、出ていく息にブレーキをかける」

ことで、唇・リード・マウスプレートに届く息の量を減らすことができます。

このやり方だと、息も体も感覚もとてもしっかりどっしりしますが、出てくる音はとても静かにすることができます。

しかも、とても響きのある音でそれができます。

そのブレーキのかけ方というのが、実は以前【Q5.息を長くもたせる方法】で説明した、『全力!息吸い体ふくらませモード』なのです。

《響く、しっかり安定した静かな音の出し方》

①息を長く、ゆっくりたっぷり、鼻から吸ってください。

②これを、落ち着いてなんどか繰り返してください。

③息を長くたっぷり吸っていると、胸やお腹がふくらんだり持ち上がったりするのが感じられますか?この感覚がキーポイントになります。

④では、また息を長くゆっくり吸います。こんどは、けっこう体が大変で力が入る感じがしても、「もうムリ!」というところまでひたすら頑張って吸い続けてください。

⑤この大変さ、力の感じが「息を長くもたせる」感覚の決め手です。これを『全力!息吸い体ふくらませモード』とでも名付けましょう。

⑥いよいよ、ロングトーンしてみます。

⑦息を吸い、『全力!息吸い体ふくらませモード』を作ってください。

⑧『全力!息吸い体ふくらませモード』をなるべく全力でキープしながら、音を出し始めてください。

⑨発音のときや、音を出している途中で、『全力!息吸い体ふくらませモード』を忘れたり緩めそうになったりするでしょう。そこを、頑張ってキープ!

⑩『全力!息吸い体ふくらませモード』をせいいっぱい作って、キープして、発音しそのままロングトーンすると、響く安定した静かな音が出せます。

やってみてください。




どんな音になりますか?
どんな吹きごこちになりますか?

Basil Kritzer

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