不必要だったアンブシュア矯正

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先日レッスンにいらした方のひとりは、トランペット歴30年の愛好家。

とにかく色々悩み、演奏に役立つのではと歯をそのためだけに整形されたりしてきたとのこと。

【もともとの当て方でよかったんだ】

演奏を見させてもらうと、上唇の量がかなり多い『超高位置』の当て方をしているのに、アンブシュア動作は超高位置とは逆になっている。

かなりそーっと当てている様子に違和感があり、ピンときて

「マウスピースを当てる位置をこれまで変えたことはありますか?」

と尋ねると、上唇の赤い部分にマウスピースのリムが収まるくらい低い位置だったのを、そういう吹き方の上手いひとがいないと感じて位置を高くしたのだそう。

実際には、上唇にリムが収まるくらい低い位置に当てるひとは相対的に少数派だが絶対数はたくさんいる。当然上手いひともたくさんいる。インターネットのおかげでYouTubeなどでそのことは分かりやすくなったが、ちょっと前までは相対的少数は分断され孤立させられてきた(涙)

なにはともあれ、超高位置の当て方にも関わらずアンブシュア動作が反対なので、動作を信用して、もしかしたら数十年ぶりに?位置をかなり下げてみてもらった。

すると、すぐに音の鳴りが良くなり、響きが増えて反応が良くなった。

ご本人も、この変化に驚き、戸惑い違和感がハンパないが、吹きやす鳴りやすさ音の良さに納得せざるを得ない、長きに亘る混乱のトラウマに怯えつつもいまこの瞬間の確かな手応えにニヤニヤしてしまう様子。

・元々の当てる位置でよかったということ
・アンブシュア動作の軌道
・軌道に沿わせる練習

を確認し、また次回お互い進捗が楽しみですねというところでレッスンを終えた。

何年も続いた混乱と苦労、それでもトランペットに携わり続けた熱意。

いかに傷付きトラウマがあろうとも、手応え・理解・上達を我が身で体験したことはその全てを超える嬉しさ、ワクワク、希望があるのだ。

Basil Kritzer

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トランペット奏者のアンブシュア
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