基礎合奏について考えたこと

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金管楽器の構造と仕組みを「基礎」に置いた場合、論理的には「基礎練習」は大まかには

①ひとつの管(指)だけ使って自然倍音列上を移動する練習と、
②同じ倍音番号上を管を変えて移動する練習、

の2つになるんじゃないかな。

ロングトーンも次の音をどの管の何にするかでどちらかに分類できるね。

楽器の構造を基礎に置くのでなく、何か特定の音楽的スタイルを基礎に置いたり、歌を基礎に置いたりすればまた他の分類や体系化ができるのかもしれない。

音階練習はというと、上記①と②の2つの組み合わせになるので、実は構造的または奏法的には基礎中の基礎ではなく、一歩応用的な練習ってことになる。

音楽的には音階は基礎なんだけど、金管の構造と奏法としては基礎より一歩だけ応用ということになる。

その点アルペジオならひとつの管の自然倍音列上の移動技術という基礎でできるので、金管楽器にとっては構造的には音階より基礎的であるといえる。

そうやって考えると、吹奏楽部で行われていることが多い「基礎合奏」は、楽器の基本構造や発音原理が同じ楽器どうしで分けて、それぞれ楽器の構造から導いた異なる「基礎練習」を一緒にやる、というふうにしたほうが効率的な場合がありそうだ!

でも、構造でなく音楽的役割に「基礎」を置いたら、そのグループ分けも、基礎練習の題材も変わるってことになるし、音楽的役割は演奏形態や演奏編成によって変わるので、曲ごとに異なるグループ分けと題材にした基礎合奏を作っていけるわけだ。

そういうのを網羅して日替わりで異なる基礎合奏をやっていくと何周かすると自然と演奏技術的基礎と音楽的基礎を楽しく習得していけたりして!

(だけれども、基礎合奏の目的が、とにかく正しく-!!とにかく合わせろー!!音楽なんか百年早いんだ基礎叩き込め-!!ってノリになると、こういう考察や工夫はそもそもノーサンキュなんだろうなあ…)

Basil Kritzer

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基礎合奏について考えたこと」への3件のフィードバック

  1. 「とにかく正しく」「とにかく合わせる」「とにかく基礎を」ってのはあるでしょうね。それがすべて「音楽のため」なのだということを見失っているケースはあるかもしれませんけれども、明示的に「音楽なんか(今は)要らない」って意識することってあるんでしょうか。

    • noayさん

      そういう発言を何度もいろいろなところで聞いたことがあります…
      …残念ながら….

      レッスンで、「そう思ってました、そう感じていました」と言われたことはもっとあります….
      …残念ながら….

      (>_<)

      • そ、そうなんですか…。ロングトーンもタンギングも、難しい部分を取り出して単純化してやってるだけで、全ては「音楽」のためなのに。

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