メールで「ゆきひろ」さんという方からご質問のメールを頂きました。返信したところ、受信設定の問題か、メールが届かずに跳ね返ってきてしまいました。最初のお返事をここに記しておきますので、コメント欄もしくはメール設定を修正して質問の続きをお待ちしております。
【質問者】
質問です。
楽器を吹くとき、口の中が『お』を発音するくらいの空間があります。低音であれ、高音であれ、『お』に近い状態のまま吹いてしまいます。
アタックも常に不明瞭になっています。
これくらいの空間は、開きすぎでしょうか?
これだけ開いているから、アタックする距離がありすぎて、アタックやタンギングが不明瞭になるのでしょう?
もう少し、空間を閉じた方が良いのでしょうか・。・・
その場合、どうイメージすれば空間は狭くなりますか?
曲を演奏してる時は、ドレミで歌いながら吹いてしまいます。これは、あまり良くないでしょうか。
変な質問かもしれませんが、悩んでいます。
【バジル】
ゆきひろさま
ご質問のメールをありがとうございます。
わたしのレッスン経験上は、本当に『お』の口にしようとしていると、管楽器でも歌でもうまくいかないことがでてくるケースにはたくさん接したことがあります。
その症状としても、書いておられることとかなり似てはいます。
ゆきひろさんは、
・『お』の口にしなきゃいけない
・『お』の口にしよう
と思っていますか?あるいは過去にそう考えて身に付けたりしたのでしょうか?
『お』にしようとしてやっているのと、何か他のことが原因でそうなっているのかで、これからどうするといいかはかなり変わってきます。
ドレミで歌うのは、悪いことではありません。
– – -ゆきひろさん、コメントもしくはメールをお待ちしております- – –
メールアドレスが間違っていました。
すみません。
わざと、お にしようとした訳ではありません。
マウスピースで、音を出そうした時に、一番音が出しやすい(息を入れやすい)のが、おでした。
ただ、前歯の上と下の隙間がかなり開いてると思います?
測った事はないですが、1cm弱くらい開いてるかもしれません。
楽器を吹くうえで、どれくらいが良いのか分かりませんが、マウスピースを付けなければ、かなり狭めて息を通す事はできますが、その形のままマウスピースをセットしたら、息は入れにくく、音すら出ません。
音はわでますが、舌をアタックさせる場所が、すごく遠く感じます。
スケールヘ吹くにも、3音目辺りから、アタックが不明瞭になります。
早いパッセージのあるエチュードも、明確にタンギングする事が
しんどいです。
歯を閉じてあしまい、少しだけ開ける位置が固定出来ません。
説明が上手くなくて、すみません。
なるほど。
では一旦、そのセッティングを変えないでも改善できる方法があるかどうか、探ってみましょう。
口笛は、吹けますか?
口笛で音階を吹いてスラーのアルペジオのような感じのものを吹いてみてください。
グリッサンドで上に上がっていくのでもかまいません。
そのとき、舌が動くと思うのです。
高い音の方が、舌は「フィー」というような感じになりませんか?
もしなっていれば、その感触をちょっと覚えておいて、楽器を吹くときも音を上がるごとに「フィー」をするようにしてみるとどうなるでしょうか?
Basil
こんばんは
口笛は、吹けます。
いちも、口笛くらい簡単に楽器が吹ければ…と思います。
週末まで楽器が吹けないので、試してからご報告します。
ただ、口笛でも、ずっとタンギングが出来ませんです。
口笛みたいに楽器が吹けるひとは、超天才ですよ(笑)
口笛みたいに吹けといっているのではなく、口笛のときの舌の使い方にヒントがあるかもしれないということです。
ここでがっかりせずに、先の提案をもう一度読んで、週末にためしてみてくださいね(^^)/
口笛でもタンギングができないとのことですが、それについては、口笛を吹いている間、
・口の天井の硬いところに息をずーっと鋭くピーっと当て続けるイメージ
・舌を口の天井の硬いところに「いーっ」とくっつけていくイメージ
・以上二点を総合すると、息と舌を「斜め前・上」方向に送り続けるというイメージ
ことを意識しながらタンギングしてみるというのが有効かもしれません。
Basil
先生、口笛の話、もちろん私も分かってますよ。
口笛は、そこそこ上手く吹く自信があるので、こんな風に吹けたらなーって言う願望です。
タンギングの話ですが、舌のどの辺りを、どこに付けてアタックするのが、正解なのでしょうか?
正直、これにも悩まされてます。
前歯の裏の付け根あたりに、舌先をべっちゃとつけるのですか?
それとも、今回書かれてるような、天井の硬い所に、舌先を付けてアタックするのでしょうか?
いつも、悩んでいます?
天井の硬いところ、の話は実際にタンギングする箇所の話ではなく、タンギングを機能させるための息の吐き方に関連したものです。
タンギングの箇所は、ざっくりと、「先端が前歯の裏や唇の裏あたり」という感じでいいと思います。
あまりピンポイントで捉えようとしないほうがよいと思います、ゆきひろさんの場合。
Basil
昨日、試してみました。
フィーと言う感覚を感じる前にアタックの位置をザクッとしたイメージで書かれてる場所に変更しました。
良い感じで変わってきてます。
高音も吹けるようになってきてます。
今日、今から再度試してみます。
また、ご報告します。
お!効果がありそうでなによりです。
報告待ってます。
2日連続吹いてみて感じたことは、書かれてた場所でアタックする事で、気持ちは「お」の口内でも、実際は「お」になってないでhないかと。
舌を結構、前方に持っていった事が今までなかったので、新しい発見になりました。
ただ、速いタンギングになると、どういう動きになってるかは、不明です・・。
あと、折角なので、トリプルタンギングのkが上手くできないですが、ヒントを頂けないでしょうか。
まずは「お」の形から自由になれたこと、おめでとうございます。
速い動きはもちろん、遅いときとは動きの性質は変わります。
どんな運動でもそうです。
けれど、位置関係的な方向のイメージは同じものでよいと思います。
イメージは同じで、実際の動きに対してはがっちりコントロールしなくてよいということにしてみるとどうなるでしょう?
とにかく速くやってみる、そして速くやるためにはどこかに力を入れて構いません。
どこかを安定させておいて、そうすることで速く動かすということです。
トリプルタンギングでは、k で舌が打つ場所が口の天井の硬い部分のどこかになるでしょう。
舌先ではなく、舌本体が口の天井の硬い部分に「ギュッ」と当たるような感じです。
その際舌自体をに力を入れることになると思います。必要なこととして。
力の入れかたの感触をまず手始めに体験するためには
1:舌先を下の前歯の裏に軽くつけます。
2:下の前歯を舌先でぐーっと押します。
3:すると、舌自体に力が入って、力こぶのように固く膨らむと思います。
4:すると、舌本体は口の天井の方に自然と向かっていませんか?
5:その延長、その勢いを使うようなつもりで舌本体を天井にぶつけると
6:Kのタンギングになります。
7:それを力一杯、何度も連続して行ってみます。
これで「k」のタンギングがどんなふうにできるか、そのきっかけをつかめると思います。
Basil
今まで、上の前歯の裏の付け根辺りに舌先を付けようとしていたので、「お」になっていたことを理解しました。ありがとうございます。
本当に私、どんくさくて申し訳ないのですが、kの感じ方はわかったのですが、tuktukとなる場合、tuの時の舌の位置はどうなりますか。
イメージできなくて・・・。tuからk、kからtuに動く時、舌はどのように動きますか。
すみません、お願いします。
>>上の前歯の裏の付け根辺りに舌先を付けようとしていたので、「お」になっていたことを理解しました
なるほど。
上の前歯の裏が間違っているというわけではないのですが、上の前歯の裏「だけ」にピンポイントに付けようとすると、たしかにベロの本体部分は下がって「お」の形のような感じになりますね。
ということはですね、「tuktukとなる場合、tuの時の舌の位置」というのも、あまりピンポイントには考えずに、ざっくりと「前の方!」くらいでいいんじゃないでしょうか。
どうもここまでやり取りしていて、ピンポイントの『正しい位置』を探ろうとしていること自体が、動きや機能を悪くしている側面がある気がします。
言葉の端々に「自分はどんくさい」的なニュアンスがありますね。
「できない」という前提があるから、「できるための正しい一発解決の方法」を見つけようとしたくなる…。
そういう思考の流れにどうしてもなってしまっているのかもしれません。
タンギングって、位置を考えるより、「いかにはっきり強く発音するか」を考えた方がよいです。
位置は、「それができる位置」であり、最初から正解だけを不安半分に捜し求めるのはなく自分の音を聴きながら探せば多くのひとは自然と見つけるはずです。
タンギングの本質は、
「息を堰き止める→それを解放する」
というものです。うまくできると、それこそお風呂の栓を抜くのとそっくりな感じて「ポン!」と音が出るのです。
【tの発音】
1:tuktuk…と考えるのをやめて、まず「u」を除外します。
2:「t」だけを発音するつもりで
3:上下問わず、場合によっては両方の、前歯の裏や上下の前歯の隙間に(唇裏まで行くかも)ベロの先端から数ミリ~1or2センチくらいをぎゅーっと押し
4:フンッ!と思い切りいきむが息は体外に漏らさないようにすると
5:お腹にぐっと力が入り
6:その息を漏らすのをぐっと我慢する感じを3秒保ち、強目続けて
7:最後に「t!」と言うつもりでベロを解放して息を流れ出させる
【kの発音】
1:tuktuk…と考えるのをやめて、まず「u」を除外します。
2:「k」だけを発音するつもりで
3:舌先は下の前歯方向(ピンポイントではない)に向かい、舌本体は口の天井の硬い方向へ向かわせぐっと押し付け
4:フンッ!と思い切りいきむが息は体外に漏らさないようにすると
5:お腹にぐっと力が入り
6:その息を漏らすのをぐっと我慢する感じを3秒保ち、強目続けて
7:最後に「k!」と言うつもりでベロを解放して息を流れ出させる
【tktktkの発音】
上記それぞれの感覚をつかんだら、共通部分(=フンッといきむ・お腹にぐっと力)をずーっとぐーっと続けながら「t」と「k」を交互にやっていく。
息をぐーっとお腹からは押し出すことを忘れずに、強くやり続ける。
感覚をはっきりさせる効果があるので、ベロのぐーっと押す力もかなり強目にやる。tktktkはまだゆっくりでよい。
感覚を体験できてきたら、あとはその感覚を思い出しながら、息をぐーっと吐きつつづけることを忘れずに、tktktをスピードアップしていけばよいです。
お返事お待ちしております。
Basil
週末も今日も練習で試してみました。
アタックでの舌の使い方は、わかってきましたが、それが続けられるかというと、ちょっと?です。
すぐに結果は、出ないと思うので、続けていきます。
ゆきひろさん
「わかってきた」というのは、実際に感触や音が良かったり、タンギングが機能しはじめているということでしょうか?
Basil
音を出すときのアタックは、音の立ち上がりもはっきりして、違いがわかってきました。
ただ、アーバンとかエチュードを練習すると、一音一音がその舌の位置で吹けてるかどうかは、ちょっと疑問です。
そのアタックで、口の周りの筋肉の使い方も変化してるようには思います。
継続してみます。
ゆきひろさん
すでにやり取りの中で述べましたが、「一音一音がその舌の位置で」やろうとするのは、ちょっと正解にしがみつき過ぎかも?
そのこと自体が不自由につながりかねないな…と読んでいて思いました。
ひとつには、まだ新しくやり始めたところなのだから、いろんな条件や状況でもできるようになるまで、まだ時間がかかってもごく自然なことなのではないか?ということ。
最初から完璧にやろうとしすぎているように、文面のやり取りからだけですと感じます。
もうひとつは、アーバンやエチュードをやるときも、いつも同じ舌の位置でなきゃいけないとは限りません。これも、いつも同じにしようという意味で完璧にやりすぎようとしているのかな…と。状況や条件が変わったら、やり方が変わってもいいだろうし、変える必要もある可能性がありますよね?
Basil