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どうして、ひとりの指導者に対しての評価は、多様なものになるのでしょうか?
あるひとは絶賛、あるひとは大嫌い、ということもあります。
それは、個人的な内面的相性や、人間関係のパターン・クセからの影響があるというのが大きいでしょうが、それを差し引いても指導が成立するうえで実は様々な要素が関係しており、相対する生徒や状況によってこれらの要素がうまくいったりいかなかったりするからではないか、と思います。
音楽の演奏の指導を成立させているのをざっと考えてみたら、次のような要素がありました。
【指導者自身】
●指導者自身の音楽への愛
●指導者自身の作品の理解
●指導者自身の演奏技術の理解
●指導者自身の演奏行為の理解
【指導者→生徒】
●指導者が生徒の考えを理解する能力
●指導者が生徒の現状を理解する能力
●指導者が生徒に役立つプランを見つける・作る能力
●指導者が自分の理解を生徒に伝える能力
●指導者が生徒と建設的 (=お互いに目的に向かって前進する)な関係を作る能力
【生徒自身】
●生徒の音楽への愛
【生徒→指導者】
●生徒が指導者の指導を理解する能力
●生徒が指導された内容に対する興味・納得
●生徒が指導された内容を実践する能力
●生徒が指導者と建設的 (=お互いに目的に向かって前進する)な関係を作る能力
こうしてみると、ひとくちに「指導力」と言っても、指導がうまくいくかどうかは 生徒自身にも責任があるのが分かります。
また、仮に指導に行き詰っていてもそれを改善するには 上記した要素 ( 考え方によってはもっとあるかもしれません ) のうちのどこに原因 があるかによって、方法や必要なことは変わってきます。しかも、原因は複数ある かもしれないのです。
このブログ内には、「指導法」というカテゴリーがあります。内容は、吹奏楽に限らず音楽の指導全般に当てはまります。
書いてあることは、実践を念頭に置いて紹介しています。
やってみる前にあきらめるのでもなく、また一度うまくいかなかったからといってあきらめるのでもなく、あくまで書いてあることを取っ掛かりにしてあなたなりの効果的で生徒も指導者もハッピーになれるような指導法を少しづつ磨いていきましょう。
Basil Kritzer