力みの問題

高音でどうしても力が入ってうまくいかない…
速いパッセージや大音量のフレーズでどうしても力んでしまって音が荒れる….

こういった悩みを持つ方は多いと思います。

今回はそれについて、ひょっとしたら何か役に立つかもしれないアイデアを書いてみたいと思います。

ポイントは「どうしても」というところです。

「どうしても」なってしまう、これは「高い音」や「大きい音」を演奏しようとする意図が、「力み」と感じられる特定の動きにつながっている、ということなのです。

特定の心身(脳内電気・化学)パターンを作動させてしまうのです。

 
これに対して、変化を起こすにはどういう方法があるでしょうか?

 
実はけっこう簡単な事です。

「考え」を変えてみましょう。

それだけで「特定の動き(力み)」を起こす心身パターンに変化が起きる可能性があります。

なぜなら、そもそも「力み」は、「〜の音を〜なふうに吹こう」という「考え」あるいは「意思」をきっかけに起きる動きだからです。

それでは、具体的にどうやって「考え」を変えられるでしょう?

ひとつ例を紹介してみます。

1.まずいつものように何か音を演奏することを考えて下さい。

2.その音を演奏して下さい。その際、「音を出す」と決めた瞬間があり、すぐに音を演奏していたのに気がついて下さい。

3.次に、「音を出す」と決めた瞬間に音をは出さず、その代わりに少し遅れて音を出してみて下さい。言い方を変えますと、「音を出す」という気持ちや衝動、意志が最高潮に達してから少しだけ待って、その気持ちが減って行く時点で音を出してみて下さい。1秒にも満たない差であっても、一瞬でもかまいません。

どうでしたか?

力みに変化はありましたか?動きや感触にちがいはありましたか?

音を出すタイミングを「意図的に」待つだけでも、習慣的な反応を変えるチャンスが生まれます。

「最高潮」の後は、脳内には「最高潮」とは異なる電気・化学パターンがあります。それはつまり、異なる動き、異なる「力の入れ具合」に他なりません。

意図的にタイミングを変えることで、意図的に「異なるパターン」を選んでいることになります。こうすることで、意図的に「力み」の習慣に変化を起こせるようになっていきます。

是非お試し下さい。

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