私たちの演奏技術は筋肉の使い方に依存しているから、次の点を考慮して欲しい。
1:どんな動きでも、一部の筋肉は発動(収縮)されてその動きの動力源になる必要がある。一部の筋肉はその動きを実行するのに必要な安定性を保つために発動される必要がある。そして一部の筋肉は動きを微調整や動きの実行中の修正のために発動される必要がある。
2:これらひとつひとつの仕事において、関係する動きとタスクを実行するために必要な最低限の仕事量がある。
3:この必要最低限より大きい努力は何であれ不必要であり無駄である。であるから、これら3種類の動きは要求に対して必要最小限の仕事量で実行されるべきである。
4:それよりはるかに重要なのは、その他の筋肉である。つまり1で述べた3種類の動きに関係しない筋肉すべてだ。これらはその時に必要とされない目的を実行するために使われる筋肉である故に、この実行の際はオフにされるべきである。
(ドナルド・ウィード著 『What You Think Is What You Get.』 ITM Publications 2004 より)
言い換えると、理想的な演奏のために必要な筋肉だけを使いなさいということだ。必要でない筋肉は使われなくてよいのである。(つま先を丸めたり、太ももを硬くさせたり、眉をしかめたり…などが分かり易い例だ!これらは必要ないのでやらないようにしよう。)
これから紹介するエクササイズは、比較を用いて自分の演奏を分析するということを始めてみれる具体例だ。
これらのエクササイズのどれを演奏するにしても、眼を閉じておくとよいだろう。そうすると、息の流れ、顎や筋肉の動きをより観察しやすいだろうし、視覚刺激で気がそらされてしまうことを穏やかに予防できる。