若いホルン吹きとのレッスンで、高音の出し方について話したときのこと。
その方のお話からは、高い音を出す/音を高くする方法として、
- ①「唇・アンブシュアを張る」
という話題しか出てこなかったので、他に知っている方法はあるか?と会話を進めたところ、一応知っていた/使うことがあるものとして:
- ②「フンッ!と力をかけて息の圧を高める」
- ③「口の中の形を変える(シラブル)」
さらに、
- ④ なにも考えない
の4つを比べてみると、それぞれ音色や吹き心地が異なる。
その中で、③は「音が好きじゃない」とのこと。
しかし興味深いことに、高音を吹くときに、無意識に③らしき動きをなさっている様子。
そこで試しに、次の2つの吹き方を意識して比べてみていただいた。
『息圧奏法』
- 息を吸った時の身体の膨らみ・張り感を保って/強めて音を出す
- 息を溜めてから音を出す
- 息を吸ってから音を出すまでに間がある
『息の流れ奏法』
- 息を吸った時の身体の膨らみが緩みながら、しぼみながら音を出す
- 吸った息をそのまま出す
- 息を吸ってから音を出すまでに間が無い
その結果、『息の流れ奏法』では:
- 高音の音色が美しくなった
- 当たる確率が落ちない
- 吹いた感じがラク
つまり、こう吹ける力があるのに、それが見落とされていたということだ。
「音色が好きじゃない」のに「圧をかけて吹いていた」──この不一致にヒントを得て、息圧奏法の反対側を試してみた。
このときの思考は、数独をやっているときの感覚に似ていた気がする。