【基礎練習の善悪】

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『基礎練習をしないのは悪』ー。そう感じ、思い込んだまま何年も過ごすことがあります。

基礎練習を構成する音階やアルペジオは、あなたが吹きたい曲のパーツや材料と言えるものです。そういった基礎練習の効果は、譜読みがスムーズになったり、曲において各調の運指が迷わなくなったりする『嬉しい効果』として感じられるはずです。

あるいは、息の使い方や体の使い方など奏法面で意識し訓練したいことがあるときに、ロングトーンや覚え済の音階などを使うことで、奏法を意識することに集中しやすくすること。それも基礎練習と分類されるもののひとつです。これの効果も、曲が通る・出せなかった音が出る・出したい音色が出せる、など求めていることが実現に近づく実感が得られたときに感じるはずです。

基礎練習をしないことに罪悪感や居心地の悪さがあったり、基礎練習をしないと落ち着かない。

そんな状態にあるとき、それは上述したような基礎練習の意味や実効性を感じられていないからかもしれません。

そしてそれは、そのような形で説明・指導されたことが無いからかもしれないし、実は基礎練習をやらなくても他の楽器で音階・アルペジオをやってあったり元々譜読みに長けているからだったりするからかもしれません。あるいは、奏法面のことを曲の演奏のなかで意識したり感じたりできているからかもしれません。

いまいちど、『基礎練習なしで、曲をさらう』ことを正当な選択肢として復活させてもよいはずです。

併せて、基礎練習についての意味ややり方を、あなた自身の論理的思考や直感、実感を大事にして作り直したり試したりしてみるのも良いでしょう。

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