中学生ホルン吹きの Mさん からご質問頂きました。
【質問】
こんにちは。中2の女子です。
私が今悩んでいるのは、高音と低音でアンブシュアが違うのか、2オクターブの跳躍で、5線より下のBの音からhighBにタンギングしてもいけません。どうすればいいのでしょうか…?
あと、高音を吹いてるとすぐ口が疲れてしまうのですが、口のスタミナを長くを保つための方法や練習ってありますか?
【回答】
2オクターブも離れていると、とくに5線の下の F~Bb あたりを含む2オクターブの場合、アンブシュアは誰でもけっこう動きますし、変わります。
ごく自然で、望ましいことです。ですので、アンブシュアを変えないようにする努力は、外してみてください。それだけでも自由で吹きやすくなるかもしれません。
「上に上がる」とイメージしていると、ハイBb がとても遠くに感じるかもしれません。
でも実は「高い音」ってないんですよ。高いっていうのは比喩です。
楽譜で便宜上「高いところ」に書いてあるだけ。
実際には振動数が多いか少ないかなんです。
振動数は、唇・ベロ・息・楽器の角度・プレスする力 などが色々動いてくれた結果変わります。
ですので、「高い音」「低い音」って考えるかわりに、
① Bbの音ならBbの音、ハイBbの音ならハイBbの音を「思い浮かべる」
② その思い浮かべている音を出すために、身体(口、唇、ベロや息を含む)を動かす
という考え方でやってみるといいのではないでしょうか。
そのとき、いちおう、
「目の上、耳の上にある頭を、固定しなくていいんだな、動けるようにしておいてあげよう」
ということも思いながらやるといいでしょう。
下のBbからハイBbに行くとき、
・マウスピースを一瞬離す
・口を思いっきり動かす
・楽器の角度や顔の向きを変える
ことを全部 OK にしてみましょう。
音が外れて、ハイBbを吹くつもりが C や D が鳴ってきたらしめたものです。
あとは心の中でハイBbをもっと明確に歌えていれば、ラクに当たるようになってくるでしょう。
唇の疲れに関してですが、
・多くの人が思っているのと逆で、プレス(押しつけ)が少なすぎると、唇がマウスピースを安定させようと頑張ってしまうので、とても疲れます。したがって、腕と手を使って、しっかりマウスピースを唇にくっつけ続けるようにしましょう。
・ただし、こまめに「演奏モード解除」をするようにしましょう。1小節でも休みがあれば、口からマウスピースを離して、口の演奏モードを解除しましょう。それが疲労回復を促します。また、タイミング的に間に合うなら楽器を膝に置いたりして、楽器を支える演奏モードもこまめに解除するようにしてみてください。
・口が疲れてきたら、イメージとしてはそれまでの5倍お腹を使って5倍たくさん息を吐くようなつもりで吹いてみると役立つかもしれません。
①吹く音を心の中で歌う
②頭を動けるようにしてあげて
③身体全体を動けるようにしてあげつつ
④マウスピースを口にくっつけて
⑤そのあとはじめてアンブシュアを作って
⑥お腹を使って(凹ませる/絞る)息を吐いて音を鳴らす
(⑤は意識の中からは省いてやってみるのも面白いですよ)
ぜひ試してみてください。