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先日、プロのバイオリン奏者がレッスンにいらした。この方は3度目くらいで、何か気になることがあるときにいらしているという感じ。
もっと弾きやすく、もっと思い通りにならないか。それを模索するレッスンだったのだが、スタート地点と変えたことを列挙するとつぎのようなことになる。
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『スタート地点の体の使い方』
腕→ちょっと後ろかつ下気味に動かす傾向
胴体→丸める傾向
骨盤→後ろに倒す傾向
脚→お休み傾向
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『変えてみたこと』
腕→肩甲骨と鎖骨とともにワンユニットとして前へ動かす
胴体→曲げずに、股関節から動くように
骨盤→立てる
脚→しっかり踏ん張る
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この結果は音・弾きやすさともに分かりやすく改善、となった。
スタート時の体の使い方は、端的に言えば腕を残して胴体を後ろにどかすことで腕を動かして楽器を構えるスペースを作る、というもの。
変えたのは、胴体を脚でしっかりさせときつつ腕を前に運ぶようにしたということ。
これで弓と弦の接触が増し、楽器も持ち上げやすくなった。
管楽器では呼吸に関連した体の使い方が常にテーマとなるように、弦楽器とくに持ち上げるものは腕に関連した体の使い方がテーマになることがやはり多いようだ。
Basil Kritzer