変化・変容が起きる為のプロセスを段階毎に追っていますが、今回は段階を先に進めるのに必要な第2のエネルギー、「サポート」です。
サポートとだけいうと漠然としていて分かりにくいですが、これはつまり、得られた情報やアイデアを元に、具体的に実験してみたり試行錯誤を始める実際のアクションに移すのに必要なエネルギーなのです。
観察や洞察は、「自分の中」で得られるものです。ここから行動に移していくには、「中」から「外」へ踏み出す必要が在ります。
そのためには、「外」からの働きかけが必要ですし、「外」へ動いていくためのスペースが「外」に必要になります。
これは現実からのフィードバックを得るということでもあります。現実と照らし合わせて、自らの観察やアイデアが信頼するものに足りるかどうか。
そういった外界からの反映がなければ、同じところをグルグル回るだけで、具体的な変化が起きません。
「ホルン演奏の向上」という変化を望む場合に当てはめて考えてみましょう。
この場合、「サポート」とはなんでしょうか?
分かりやすいのが、「教師」です。
「教師」が自分の状況をフィードバックしてくれます。
「教師」が、変化のための試行錯誤の案を一緒に考えてくれます。
「教師」が、アイデアを実行に移すための精神的な後押しをしてくれる場合も在ります。
あるいは、「鏡」や「レコーダー」です。
鏡を見れば、自分が何をやっているか正確に見せてくれます。
レコーダーで自分の演奏を録音して聴けば、自分の現状を正確に把握できます。
こういった現実からのフィードバックのおかげで、自分のアイデアを位置づけることができるし、アイデアを実行に移すためのきっかけやタイミングを計ることの助けにもなるでしょう。
たとえば、アンブシュアがうまく機能せず悩んでいたとします。
そのときに、鏡があると、アンブシュアがうまく機能しているときを目で見て捉えることができます。
すると、うまく機能しているときの身体の他の部分を観察することもできるし、自分の吹き方が全体としてどうなっているか、どういうイメージでどういう考え方で音を出していたか、そういう隠れた部分(アンブシュアという結果の源泉)を見つけ出せるかもしれません。
この作業に「鏡」という外部のサポートが必要だったのです。
あるいは、「何らかの出来事」がサポートの役割を果たすかもしれません。
たとえば、予期せぬ大失敗。その失敗のおかげで、アイデアを実行に移し、変化の為の試行錯誤や実験を実際に行う勇気が出るかもしれません。
これらはいずれも、アイデアを実行に移すという推進力・エネルギー源を与えてくれる、「自分以外のもの」です。
現実との接点とも言えるし、現実を変え始める為の後押しとも言えるかもしれません。
変化・変容のためのプロセスー目次
①はじめにー変化の為の9つの要素 http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-07 ②情熱・意欲・望み http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09 ③観察して情報を得る http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11 ④得られた情報から洞察・分析・アイデアを得る http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17 ⑤サポート?第2のエネルギー? http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21 ⑥探求・試行錯誤・実験 http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26 ⑦解決策・新しいプラン http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-05-27 ⑧信頼?第3のエネルギー? http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-06-01 ⑨結果(新しい経験)=第5段階 と 新しい目的・目標・領域=第6段階 http://basil-horn.blog.so-net.ne.jp/2010-06-12 意見・コメント・質問・苦情は basil@bodychance.jp Basil Kritzer ホルン&金管トレーナー。 ThinkingBody 認定コーチ→ThinkingBodyについて 京都華頂女子高等学校音楽科ホルン科講師。 香港生まれ、京都育ち。ドイツ・エッセンフォルクヴァング芸大ホルン専攻卒業。 現在、BODY CHANCE にてアレクサンダー・テクニーク教師養成課程履修中。通訳兼務。 2012年 アレクサンダー・テクニーク講師資格取得予定 にほんブログ村 にほんブログ村