【部活ホルンパート指導の2大禁句ワード】

吹奏楽部の少年少女ホルン吹きたちを指導するときに、

『指導する』
=相手の演奏能力の向上を助け、彼ら・彼女らが望む演奏の実現をサポートする

と定義するならば、《逆効果》な指導ワードがあります。

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禁句①『外すな!』
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ホルンは、音が外れやすい楽器として昔から世界中で有名です。

これは物理的な性質で、ほかの楽器に比べて音が外れるのが目立つのを奏者を責めたところで何も解決しません。

非常に微細なコントロールが求められる楽器ですから、奏者を責めれば責めるほど、プレッシャーをかければかけるほど、たいていは奏者は硬くなってコントロールが狂い、余計に音が外れます。

ある著名なヨーロッパの指揮者は、

『ホルンの魅力は、なんといってもあのいつ音がはずれるか分からないところだ。それがうまくいったとき、無上の悦びとなる。』

と言っています。

世界で五指に入る超一流のホルンのソリストでも、一曲に一箇所くらい、音が外れるか少し乱れます。

超一流のオーケストラの演奏会でも、なんてことのない中音域でホルンの音がプルンとひっくり返る場面に接することはいくらでもあります。

これはもう、ホルンの性質です。

コンクールやアンサンブルコンテストで、ホルンの音が外れた・ひっくり返ったということを理由に減点になったり印象を悪くすることなんて、まずありません。

ホルンの良さは、よく響く豊かな音の追求を、ミスをしないことより遥かに優先させてあげてこそ活きてきます。

ホルンの素晴らしい音はオーケストラ作品、映画音楽、ゲーム音楽、ソロやアンサンブルまで幅広く聴くことができます。ぜひ素晴らしいホルンの音をたくさん紹介し、聴かせてあげて、イメージづくりを手伝ってあげてください。

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禁句②『聞こえない!』
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部活吹奏楽の合奏でありがちなのが、ホルンの音が聞こえづらいということ。

これにはいくつか理由があります。

◎ベルが後ろを向いている

ベルが前や上を向いている楽器に比べ、聞こえづらい状況になっていませんか。また、音が部屋や会場に吸収されていっていませんか。ホルンの後に反響板をやその役目を果たすものを置いてあげたり、壁際にホルンパートを配置させてあげると劇的に改善する場合があります。

②人数が少ない

トランペットやトロンボーンの合計人数が多いという状況がよくありますが、そうなっていませんか?当然トランペットやトロンボーンのほうが音量が大きく、聞こえやすくなります。配置や人数などを工夫すべきです。

③いい感じで鳴らすのが他の金管楽器より少し難しい

ホルンは、音量や音域によって音色が敏感に変化する楽器です。その変化を引き出し活用する前提で、良い作品は書かれています。ですが、往々にしてそれらの変化を『音色が変わってしまう』『音が揃わない』と受け取ってネガティブに評価する環境が吹奏楽部にはありがちです。雷のように鋭く轟くホルンの音を聴いたことがありますか?ふわふわモコモコと非常に柔らかくかすかに聞こえるホルンのピアニッシモを聴いたはありますか?音色の変化・幅を教えてあげて、それを許容し活かしながらより大きな音を鳴らすための段階的で注意深い訓練を教えてあげましょう。

このように、聞こえないのが単純なパワー不足、練習不足、やる気不足が原因などではないことがとても多いのです。

だから、『聞こえない!』と一喝するのではなく、配置やバランス、練習法をよく考え試し、少年少女ホルン吹きたちの成長と自己実現を手伝ってあげましょう!

Basil Kritzer

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