吹奏楽部では、といいますか部活というものにおいては、
たくさんの理不尽がどうしてもあるものです。
民主主義の国で、人権が守られる社会。
それが日本という国の基本ルールであるにも関わらず、現実には学校、なかでも部活ではそれに反するとても『悪いこと』が存在するのに気づいているひとも多いでしょう。
わたし自身、中学・高校と吹奏楽部で過ごしました。
その中で、そういった大変よくない物事をいくつか経験しました。
じゃあ、そういったことに真っ向から反対したり、
変革を進めることができたのか?
意見をいったり、
おかしいと思うような慣習は自分の権限が及ぶ範囲ではやめたり、
少しはやりました。
でも、大々的にはできませんでした。
いま、吹奏楽部で、音楽や部活を愛しているから部活を続けているのだけれど、本来あってはならない間違った理不尽を経験していて、とても苦しんでいるたり強い疑問を抱えている先輩たちに伝えたいのは、
『あなたはいま、何も変えることができないかもしれないけれど、あなたの感じている違和感や疑問は、間違っていませんよ』
ということです。
吹奏楽や部活というものを応援・後押しする出版物においては、この点を述べるものはあまり見かけません。理由は分かりません。
だからこそ、すくなくともこの記事を読んだ限られて一部のひとくらいには、そのメッセージを届けておきたいと思います。
民主主義、人権、心身の健康。
これらを侵害するものは、コンクールの勝敗、部活の運営、先輩後輩の関係、様々な複雑な事情・・・いろんな背景があるでしょうが、端的にいえば《ダメなこと》なのです。
だから、
おかしいよな
変だよな
ダメだよな
というあなたの気持ち、理性をここで強く肯定しておきたいと思います。
たとえあなたが何も変えることができなかったとしても、です。
おかしいものはおかしい。
そう素直に感じていられる一助に、この文章がなれば幸いです。
Basil Kritzer