左手のこと・右手のこと

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新訳:Singing on the Wind です。前回はこちら





【左手のこと】

左手の望ましい使い方は、指先だけがヴァルヴのレバーに触れるように指を少し丸めることです。

小指はフックの下に置かれ、支えとして使われることがよいでしょう−上腕二頭筋を鍛えてしまえそうな状態にするのではなく!(これについて詳しくは後述します)

もしあなたの手が特別小さい、あるいは大きい場合は、持ちやすくなる位置に小指のフックを動かすか、左手の上に補助レバーを設置することを考慮するとよいでしょう。

もし普段、主にBb管で演奏することが多いのであれば、親指ヴァルヴは「押しF」にし、F管を主に使う場合は「押しBb」に設定するとよいでしょう。いつも親指を押し下げることは、不必要な緊張を手にもたらす可能性があるからです。



【右手の形】

ベルの中の右手のポジションは、音質と音程のどちらにも影響を与えるので重要なポイントです。

右手の指はまっすぐ伸ばしておき、手はほぼ平らに、そして親指は他の指と平行させておくべきです。指の間は隙間なく閉じておき、親指と手のひらの間も隙間がないようにしましょう。

ベルの中に手を入れる時、手は胴体と平行になるようにし、指の背側は第二関節まで胴体から遠い側のベルの内側に触れるようにします。

ベルは親指の第一関節まで乗っているようにしましょう。そうすると、手と、その手のある位置のベルの内側の広がりとが平行になります。指はまっすぐのままであるべきです。

このことを初めて私に教えてくれたのは、パックスマンのリチャード・メレウェザーでした。のちに、わたしのミュンヘン時代の師であるジャック・メレディスにも同じことを教わりました(つまり、リチャードの言う通りにしていなかったということです!)



【塞ぎすぎで起きること】

右手が塞ぎ気味のポジションになっていることでベルの開きが制限されると、


①音の飛び・伸びが減る

奏者自身にとっては、ある程度までは右手でベルを塞ぐとその方が音が充実したかのように感じさせます。

しかしこのとき、実は音の伸び・飛びの質は落ちてしまっているのです。

わたしたちはまず何よりもわたしたちの聴衆のために演奏しているのですから、ホールに自由に飛んでいく音を奏でるべきでしょう。


②高音域のオクターブの音程が、他の音域より低くなる

これも、右手の塞ぎすぎで起きることです。

こうなってしまうと、奏者はアンブシュアで音程を修正することになります。これは負担が大きくなるだけでなく、音の質に害を与えてしまいます。



【まとめ】

ベルを開けるように手のポジションを変えると、音程が上がります。
ベルを塞ぐようにすると、音程は下がります。

しかし、先述したように右手が正しくベルの中にポジション取りされていれば、ひとつひとつの音に対していちいち手で音程を修正するような必要はないはずなのです。


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つづく
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