先生の褒め言葉を素直に受け取らないのは、危険!

大学1年の音大生ホルン吹きからメールで質問を頂きました。

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先生を尊敬しているなら、ポジティブなフィードバックは素直に受け取ろう!
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【質問者】

吹いてると、どんどんアパチュアが広がってきてすぐバテてしまいます。
バテというのは、慣れでなおるんですか?

長い曲を吹くと高音になると、顎の張りがなくなって、下唇を巻いてしまうようは感じがあります>_<

【バジル】

演奏技術の基礎の完成には、何年もかかります。
10年かかっても普通だと思います。

そういう意味では、演奏技術がこれから成長していくなかで、いま感じているバテの問題はおそらく多くが解決してくるでしょう。

参照記事:
「バテ」で検索した記事一覧:こちら
「スタミナ」で検索した記事一覧:こちら
「耐久力」で検索した記事一覧:こちら

それぞれのリンク先をみて、興味を引いたものから読んでいってください。

>>長い曲を吹くと高音になると、顎の張りがなくなって、下唇を巻いてしまうようは感じがあります

顎の中心あたりを真下に張ろうとすると逆効果なことが、よくあります。(詳しくはこちら

「顎を張る」と考えるより、「口の周りや頬に思い切って力を入れて安定させてみる」と思ってやってみたほうがいいかもしれません。

また、マウスピースをほんのちょっと下にずらしてみるとどうなりますかね?

違和感はちょっとあるかもしれないけれど、演奏に支障にはならない範囲で、ちょっとだけ、唇の対していままでより下に当ててみる。

お返事お待ちしています。

【質問者】

マウスピースのこと、意識したら以前よりも吹きやすくなりました!

試験の曲がリヒャルトシュトラウスの協奏曲1番なのですが、たった1楽章だけでもバテバテで、、先生からは、『カットしても、お前の耐力が持つかねぇ』と言われました(;_;)

以前よりは良かったのですが、やっぱり後半になると後少しなのにキツくなりました。

【バジル】

マウスピースを当てる位置の調整が効果的だったということですね。

それを今後の練習で意識して取り入れてください。
高音域の吹き方やアンブシュアの機能、安定性がだんだん向上してくるでしょう。

数ヶ月という期間でどんどん良くなっていくとおもいます、ちゃんとそれを意識してやっていけば。

シュトラウスの協奏曲の1楽章でバテるということが、特段おかしいことだとは思いませんよ。

これまでの練習の仕方、これまでの成長の仕方の結果、「まだ」難しいというだけなのではないでしょうか?
何かがおかしいと不安がらなくていいと思います。

【質問者】

そうですね..

リヒャルトシュトラウスを吹けるだけの実力はまだまだ付いてないし、楽器の悩みと音楽の感じ方と自分と上手く行かないというか、自分が追い込んでるだけのような気もしなくもないのですが、、先生にいくら、今の良かったじゃない!!!と言われても、自信がなさすぎなのか、それとも、私自信がいい演奏と悪い演奏の区別がついていないのか、褒められても、うーーーん。。。となってしまいます。

あと、集中力とイメージはどうやったら高くなるのか、、、

とにかく、マウスピースの位置を少し変えた意識しただけでも違ったので気をつけて練習していきます!

【バジル】

先生のことを尊敬しているなら、「今のは良かった」と言われたのならそれは自分の芯までしっかり届かせるというか、「良かったんだ!」と評価して栄養にする必要があると思います。

思ってもないのに適当に、とか、お情けで、とかで褒める先生なんてダメな先生でしょ?
だから尊敬している先生なら、「良かった!」と言われたことはもうちょっと本気で受け取らないと。

わたしはそれをちゃんとしていなかったせいで、大幅に遠回りしました。
自分の自信を知らず知らずのうちに破壊してしまいました。
ホルン奏者としての自分のキャリアに対して大変有害でした。
その責任は、自分で負います。

「うーーーん」は、危険かもしれませんよ!気をつけてね。

集中力も、もしかしたら自己批判やモヤモヤに忙しくて削がれているのかも?

【質問者】

はい尊敬しています!

ですが、自信とはどこで湧いてくるものなのでしょうか。誰が決めるんでしょうか、、。

私は、3月に新人演奏会のオーディションを受けます。たまたま、大学の先生が審査員なのですが、その先生にレッスンを受けた時に「今のはとても良かったよ!!!」と言われたのですが、それでも私は自信もつきません、、。他の人より、とてもいい環境にあるのに。

バジル先生のブログをたくさん読ませていただき、考えてみると、私は、演奏すること自体に恐怖があるのかもしれないと思いました。

先生に、褒められた時は特に確かに、あ、今のは良く吹けたかも!っていうのは、感じます。

でも、特に曲を通すとなると、後半で絶対バテるんだ、、って思ってしまうのが癖のような、感じで、、バジル先生のおっしゃる通りです。

集中力がないのも、自己批判にとらわれているように思えます、、。

私は中高大と、タイミング良く素晴らしい指導者、先生に教わっているのに、こんな自信のなさだと(´・_・`)

「うーーーーん が危険だとは…気をつけます….

【バジル】

>>自信とはどこで湧いてくるものなのでしょうか。

長期間(注:長時間ではなく)かけて、できる限りの(注:無理はしていない)取り組みをした結果だと思います。

自信とは、

「できるさ!」という気持ちのこともあるし、
「自分はうまい」という気持ちのこともあるし、
「失敗してもかまわない、自分は自分なんだから」というような気持ちのこともあるし、
「音楽をするだけだ。とてもシンプルでで楽しくて幸せだ。」というようなこともあるでしょう。

ひとにより時により色々だと思います。

わたし個人の場合は、3番目の気持ちになるようしっかり向き合って準備すると、本番で4番目の気持ちになりやすくなり、そうなれると幸せな演奏ができることが多いです。

>>誰が決めるんでしょうか…

自分です!

>>後半で絶対バテるんだ

それは、「いまは」の話です。
数ヶ月、数年経てばまったく変わっています。

いまうまくいかないこと、できないことを、自分への絶対的な評価にしてしまいがちなのかもしれませんね。もしそうなら、そりゃあ自信無くなります。

自信は、自分で育てるものなので、自分の自信を傷つける自分のなかの考え方は、ちょっとづつでもいいから理解して変えていきたいですね。

【質問者】

私は、ここまでやりたいというのに対して、批判的なものやモヤモヤが悪循環して、できるものも見えなくなっていたような感じがしました。

きっとこれから良くなっていくと信じていこうと思います!

幸せな演奏がしてみたいです!!

明日の練習も何かしらの感覚を得たいです。

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先生の褒め言葉を素直に受け取らないのは、危険!」への1件のフィードバック

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