【音楽をする意味なんてあるのか?】

〜音楽をする意味なんてあるのか?〜




先日、知り合いの、年齢的にも社会業績的にも大先輩の野球ライターさんと飲む機会がありました。

その方は、『部活』の取材をなさっており、また野球という競技全体の利益・健全性の観点からは高校野球のあり方に批判的な視線を持っておられる方なのですが、取材活動で見てこられた『吹奏楽部』もまた、野球と同じ程度に「過熱している」と仰っていました。

基本的にわたしも、同意見です。



しかし、その方はそこからわたしが予想していなかったことを仰られました。

「野球の場合、過熱の果てにも『プロ』あるいは『実業団』など一応、先がある。投資の回収と判断できるものがある。でも、吹奏楽の場合、そうではない。音楽で食っていくことはなかなかできないし、野球とちがって親がそれを期待している様子もない。そこまでシャカリキになって音楽をする意味はあるのだろうか?」

….と、このように。



その問いに、わたしは答えを持ち合わせていませんでした。

むしろ、考えたこともないというのが正直なところです。

吹奏楽部時代の後半は、たしかにその先音大に進学することや、演奏家になることを目標としていました。

しかし、吹奏楽部に入った当初は、そんなつもりはありませんでした。
ピアノを習い始めた6歳のころだって 、先のことは考えていませんでした。

わたしにとって、音楽をするという選択は「当たり前」に近いものです。
好きだと思ったから、すごいと思ったから、もっとやりたいと思ったから音楽をずっと続けてきたのだな、と自覚しました。

だからこそ、わたしのいた吹奏楽部も過熱傾向はかなりありましたが、
「音楽をする」ことや「そのあとも続ける」ことは考えもしないぐらい自分にとって深く、当たり前のことでしたから、
「投資の回収」という観点を思ってみたこともありませんでした。

同時に、音楽をしない世の中の大半の人からすると、投資効果も経済効果も薄いように思える音楽をわざわざ好き好んでやるのは一体なぜ?
と不思議に思われるのも無理もないんだな、と納得もしました。



なぜ?に対して、具体的な答えはわたしにはありません?

言えることは、

「音楽を聴いてきた人生、音楽を演奏してきた人生のなかで、音楽によって救われたことがたくさんあるから」

ぐらいかもしれません。

実は、日本でも欧米でも、プロでもアマチュアでも、よく聞く興味深い話があります。

それは、

「いままで一番思い出深い演奏はなんですか?」

という問いに、

「老人ホームでの演奏」

という答えを聞くことが不思議なほど多いのです。

それは、世界の代表的なオーケストラやホールで演奏してきている人たちからも聞く言葉なのです。

あるいは、アメリカの空軍や海軍バンドの奏者たちへのインタビューをよく聞くのが、
『任務で犠牲になった兵士の葬儀で演奏する時が一番印象深く、意義深い』という言葉です。

音楽をするということは、人の一生に寄り添うこと。言葉にはなりづらい、でも深く大きな意味を持った瞬間に奉仕すること。
そういう本質があるのではないかと思います。

わたしも、きっと何かそういうことのために続けているのだろうと思います。



これを読んでいるあなたは、どうですか?


Basil Kritzer

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【音楽をする意味なんてあるのか?】” への8件のコメント

  1. こんばんは ホルンを吹いている社会人です。

    ご相談なのですが、
    楽器に息がスーッと入り、高音がスムーズに出る日もあれば
    息が入りづらく、硬い膜を力いっぱい破るみたいな感覚で息を入れないと高音が出ない日があります。 そういう時は苦しそうな音しか出ないですし 長く音も出せません。

    疲労が原因ではないのは確かです。

    解放や0番だけで出す音は鳴るのですが 0.1.2番の高いGやDの音や0.2番のAが特に鳴りづらいです。

    どういった原因が考えられるでしょうか?
    教えて頂きたいです。

    お忙しい中申し訳ありませんがよろしくお願い致します。

    • 管が長くなっているときの方が吹きづらく感じているということでしょうね。

      長い順に
      F管 1,2,3
      F管 1,3
      F管 2,3
      F管 1,2
      F管 1
      F管 2 = Bb管 1,2,3
      F管 0 = Bb管 1.3
      Bb管 2,3
      Bb管 1,2
      Bb管 1
      Bb管 2
      Bb管 0

      です。それぞれの指=管の長さごとに自然倍音列上でリップスラーなどでいろいろ音を出していってみることに取り組むとよいかもしれません。

      長いほど抵抗感が強く息が入らない感じになる反面、アンブシュアはより自然に楽に良い形を作りやすくなります。
      管が短いほど抵抗感が少なく息が素直になる感じがしますが、アンブシュアへの負担は増えます

      • 返信ありがとうございました。理由がわかったので これからはリップスラーで色々な音を出す練習していきます。
        私の楽器はフルダブルホルンで常にF管を使っています。出にくい音がある場合、積極的にBb管を使った方が良いのでしょうか?

        • ハラさん

          せっかくダブルホルンなら、Bb管とF管半々か、少なくとも3:7くらいでぜひ探求する時間の使い方をしていくことをオススメします!

  2. いつも楽しく拝読しています。
    老人ホームでの演奏、確かに!
    童謡や昔の歌謡曲など、つたない演奏でもとても喜んでいただき、中には涙を流される方もいらっしゃったりで、こちらも熱くなりますね。技術ももちろん大事ですが、もっと大事なこともありますね〜。

    • gamberoさん

      技術がそもそも、自分のやりたいこと=ひとに音楽を届けること、のための手段ですものね♪

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