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きのうレッスンに参加された、愛好家のファゴット奏者の方。
息を吸うときに、息を吸う動きに寄与しないと思われる
・飲み込むような動き
・胴体をグッと曲げて押し下げる
ようなことが演奏に役立っていないと思ったので、
『とにかく肋骨を拡げようとしてみる・息は鎖骨の付け根の窪みに入れるくらいのつもり』
を提案したら、先程の動きは減り、息がラクにたくさん吸えて音がレスポンスよく明るく響いた。
息を吸い込む、という日常的な言語表現の微妙な問題点が楽器演奏のような高度な技術において仇になるのだと思う。
吸うっていったいどうやってやるねか?
空気の流入は、肋骨を動かして肺の回りのスペースを広げることで起きる。
口を通りはするが、そこに吸入機能があるわけではない。
空気の流れ込みという現象を起こしたかったら、肋骨を動かして(横隔膜も肋骨を動かす)肺の回りのスペースを広げることしか、意図してできることはたぶんない。
吸い込もう、はどこか結果領域のことを『自分がやること』領域に持ってきてしまう言葉であって、問題や限界のリスクが大きめかも。
そんなわけで、
『肋骨を拡げよう』
の方が、やること・できること領域に近いがために良い結果になるケースがあるのだと思う。
吸うんだ、という意識は完全に置き換え得て、しかもそうした方が呼吸が上手になる可能性はかなり高いと思う。
今後、自分でもレッスンでも取り組んでみます。
Basil Kritzer