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わたしはホルンを始めて二十年になりますが、いちばん最初、中学一年生の時、楽器で音を出すのはできても唇だけのフリーバスィングやマウスピースバスィングはなかなかうまくいきませんでした。
それもあって長くバスィングについてはほったらかしでしたが、レッスン活動のなかで、バスィングができない・うまくいかないという方の悩みや、初心者が楽器で音が鳴らせない場合どうしたらいいかという問題に向き合う必要が生じました。
このテーマでレッスンする機会がたくさん積み重なるなかで、いまのところなぜか、それらの悩みの解決や改善にほぼいつもつながっている手順を見出だせているので、適用範囲・適用条件・作用機序はまだはっきりとはわかりませんがひとまずここで共有します。
~唇を振動させて音を生み出す手順~
【①圧力の感覚】
1:鼻から息を吸って
2;フーッと口から吐いてる途中で
3:口を手で塞ぎます
4:それでも吐こうとし続けると
5:息が体のなかに溜まって、顔が赤くなるような圧力を感じると思います。
【②口を閉じて圧力を作る】
①ー5で感じられた圧力を、手ではなく口を閉じることで作ります。
1:鼻から息を吸って
2;フーッと口から吐いてる途中で
3:口をぎゅっと閉じます
4:それでも吐こうとし続けると
5:息が体のなかに溜まって、顔が赤くなるような圧力を感じると思います。
この、吐きながら口をきゅっと閉じるというのを何度か速く繰り返してみてください。
アンブシュアの支えのウォームアップになります。
【③バジングを起こす】
1:鼻から息を吸って
2;フーッと口から吐いてる途中で
3:口をぎゅっと閉じます
4:それでも吐こうとし続けると
5:息が体のなかに溜まって、顔が赤くなるような圧力を感じると思います。
6:その溜まった息をほんのすこしだけ口から漏らします。口を緩めるのではなく、ほんのちょっとだけ隙間を作る「つもり」くらいで十分です。プッとかブッとか、雑音みたいな振動が一瞬でも起きれば十分です。
7:その感覚のまま楽器で同じことをやってみてください。
・どうなりますか?
・音や効率に変化はありますか?
・やってみてでてきた疑問質問はありますか?
ぜひ試してみて下さい。
Basil
以前、ブレスの度にアンブシュアが乱れる…という件で質問をさせていただいた者です。
唇のみでのフリーバズィングについて質問させていただきたい点があります。
私は唇のみでのバズィングを行うと、唇の右端から舌がはみ出てきます。
(マウスピースを使ったバズィングでは問題ありません。)
バズィングの際に唇から舌がはみ出る症状について、似たような状況でお困りの方がいないかできる範囲で調べてみましたが、同じような困りごとを抱えている方や、演奏上の問題点に対する言及は見当たりませんでした。
このことがアンブシュア形成や、演奏に関して悪影響を及ぼす可能性は考えられるでしょうか?
自分の感覚ではありますが、演奏中に上下の唇の接点に舌が接触していると感じるときがあります(タンギングの際やロングトーンの間など)。
歯の大きさ、舌の長さや位置など解剖学的な特徴が関係している事柄であるようにも感じられますが、楽器演奏について支障が生じる可能性についてご意見をいただければ幸いです。
さいとうさま
「楽器演奏について支障が生じる可能性」ということは、あるのかないのか、わかりません。
アンブシュアのメカニクスを研究しているひとたちが行っている、フリーバジングのやり方は少しここに書いてあります。
http://basilkritzer.jp/archives/6671.html
Basil