息の吸い方に悩み迷わなくて済むために

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『息を吸うには、要はぼくたちは自分の肋骨を動かす必要があるよ!』

空気は、吸い込もうっていくら頑張っても、その想いや努力とはあまり関係なく、
肋骨が動いて肺の周りのスペースが広がれば勝手に流れ込んできます。

でも、肋骨が動かなければそれが起きません。

もうホント、

「息を吸う=肋骨(胸郭)を動かす」

ということなんです。
横隔膜も、肋骨を動かす筋肉なので。

ということは、

たっぷり息を吸う
=肋骨をたくさん動かす

深く息を吸う
=肋骨をたくさん動かす

自由に息を吸う
=肋骨を思い通りに動かす

なんです。

でも、管楽器演奏や歌で必要とされる肋骨の動きの量やスピードや、あるいはその調整能力は、
普通の日常生活ではなかなか使わないだろうし身につくことは少ないと思われます。

だから、自覚的かどうかは別として、
楽器演奏や歌、あるいは呼吸のトレーニングを通じてそれを訓練していっているわけです。

もう一度確認。

「息を吸う=肋骨(胸郭)を動かす」

とってもシンプルです。

【実感しよう】

ホンマかいな?…と思われているかもしれません。

うん、ホンマです。

お腹が膨らむのも
重心が下がるのも
一瞬で素早く吸うっちゅうのも

肋骨を動かす筋肉の働きか、その影響で起きることなので。

…ということは、肋骨を動かせて、吸いたいように吸えていれば、お腹や重心やスピードとかも直接意識せんでええっちゅうことですわ。

こりゃ便利!

(もちろん意識したいひとはしていてOKです)

〜肋骨の動きを実感する方法〜

①片手の手のひらを胸骨の上にぺったり置きます。
②反対の手の甲を、その裏側の背中に当てます。
③これで肋骨(胸郭)を前後で挟んだことになります。

④鼻からゆっくり息を吸います。
⑤両手で挟んだ肋骨(胸郭)が動いているのが、ほぼ100%感じられるでしょう。
⑥あと2〜3回、ゆっくり呼吸してください。

⑦脇のすぐ下か、胸の横のあたりに手のひらを置きます。
⑧反対側も。
⑨これで肋骨(胸郭)を左右で挟んだことになります。

⑩鼻からゆっくり息を吸います。
⑪両手で挟んだ肋骨(胸郭)が動いているのが、ほぼ100%感じられるでしょう。
⑫あと2〜3回、ゆっくり呼吸してください。


これでもう、肋骨が動いているということも、自分が動かせているということも、
すっかり感じられたと思います。

とっても簡単です。

【トレーニングしよう】

動いていることがわかったら、それが「基本」です。
あとは、「基本」の動きに負荷をかけてトレーニングをしてみましょう。

負荷をかける方法は簡単。

さっきと同じように手で肋骨を挟みつつ、
息を吸うアクションをもっと増やしていけばいいのです。

増やし方は2種類。
両方やるといいよ。

〜吸う長さを伸ばしていこう〜

・最初はゆっくり3秒ほど、ラクに鼻から吸います。そして吐きます。
・同じペースで、4秒にします。そして吐きます。
・同じペースで5秒、6秒と吸う長さを伸ばしていきます。

↑こうすると、息を吸う量は増えていることになります。そして、肋骨はもっと動かしていたり、動かす負荷を高めていることになります。

〜吸う速度を速めていこう〜

・ひとつまえのエクササイズで、あなたにいまできるマックスの「量」、肋骨を動かしましたね。
・そこまで5秒で到達しようとしてください。
・つぎは4秒で、
・そして3秒で…

↑というふうに「マックス」までの「所要時間」を短くしていこうとすると、息を吸うスピードを上げていっていることになります。息吸い運動の瞬発系トレーニングですね!

【困ったら基本に戻ろう】

とりあえずこれが基本です。

息の吸い方に関して何か迷ったり不安なになったりするようなことがあれば、
このエクササイズに戻りましょう。

〜それでもイマイチなときは〜

・いま吸える量や速さ以上に吸おうとしているかも?
吸える息の量や速さは、そのひとの肺の大きさなど体格と、体格の範囲内で高めている肋骨の運動量によって限界があります。継続的なトレーニング無しに、すぐに吸う量や速さを増さなきゃ…と焦ったり、トレーニングをしても到達できないレベルの量や速さををできるようにならなきゃと無茶なプレッシャーを自分にかけていませんか?

・肋骨以外の動きを混ぜちゃってるかも?
息をたくさん吸おうすると、背骨を反ったり、肩甲骨や腕を後ろに引っ張ったりしているひとによく会います。それ、肋骨じゃない…呼吸運動じゃない。姿勢とかよくわからないことを考えるまえに、めちゃシンプルに「肋骨エクササイズ」に戻ってみてください。

・吸い方の問題じゃないのに吸い方に原因を求めてないか?
音色のこと、響きのこと、アンブシュアのことなどを、なぜか「息を吸うこと」で解決しようとしているひとにも時々出会います。もちろんときには吸い方が間接的に問題を起こしていることも無くはないけれど、あくまで「ときには」です。まずは「吹き方」「歌い方」「鳴らし方」などを直接観察してみるのがオススメです。

・吐き方の問題じゃないか?
息がもたないから、という理由でそれは息が吸えていないからだと思い、もっと吸って解決しようとしているひとにもよく出会います。それはもしかしたら息の吐き方=息の支えの問題かも。実は、「息吸い筋」を息を吐くときもONにしておくのが、息の支えであり長いロングトーンやフレーズ、ppなどのキーポイントです。詳しくは下記動画を参照のこと。

息の吸い方に関しては、いったんシンプルに考えましょ♪

Basil Kritzer

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