肺活量神話?

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ベルリン・フィルのホルン奏者、サラ・ウィリスさんが運営している素晴らしいインタビュー・サイトHorn Hangouts」。

ホルン奏者のみならず、ほかの楽器の奏者や世界的なメンタルトレーニング・コーチなどにも非常に楽しく興味深いインタビューを敢行しており、たくさん視聴することができます。

Youtubeにそれらの動画のリストがあるので、英語がわかる人はぜひ見てね!
こちら

それらのインタビューの中のひとつに、元・シカゴ交響楽団のホルン奏者であるゲイル・ウィリアムズさんとのインタビューがあります。

ウィリアムズさんは女性ホルン奏者で、アメリカのプロオーケストラの金管セクションで女性が演奏しているのはまだ珍しい時期から第一線で活躍してきました。

そのインタビューでは呼吸に関しての意見交換がたくさん行われているのです。が、肺活量に関してこんなエピソードが語られていました。

“(ウィリアムズさんの発言)「わたしは若いころ、アーノルド・ジェイコブズ(訳注:元シカゴ交響楽団チューバ奏者で、教育者としてアメリカのみならず世界の金管楽器界に大きな影響を与えた)に師事した。

初めて彼のところに行った時、いろんな機械で肺活量を測定された。

すると彼はこう言った

『きみの肺活量は2.5リットルだね。でもそれは問題ない。わたしも2.5リットルだから。問題はきみの息の吸い方と吐き方にあるんだよ』

先日、肺活量が7.5リットルもある男性の生徒が来たのだけれど、そんな彼でも呼吸のやり方があまり良くなかった。肺活量がたくさんあってもね。

(サラ・ウィリスの発言)「シュテファン・ドール(現・ベルリンフィル首席ホルン奏者)は5.5リットルよ…!わたしたち女性は肺活量が小さいから、上手に呼吸する方法が大事になるわね」”

わたし(バジル)自身は肺活量はほとんど気にしたことがありません。おそらく、息の吸い方にあまり悩んだことがないからでしょう。

わたし自身は、息の吐き方に取り組んで学ぶ必要がありました。ひとによって、呼吸に関しては息を吸う方・吐く方のどちらか一方は自然にうまくできて、もう一方でより意識的に取り組んでいく必要があるように感じる場面に接してきています。

いずれにせよ、

「自分は肺活量が少ないのが問題だ」
「肺活量が少ないからできない」
「(ただただ)肺活量を増やさなきゃ、鍛えなきゃ」

という悩み方・頑張り方は実は幸いにもちょっとした勘違いなのかもしれませんね。

Basil Kritzer

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肺活量神話?」への1件のフィードバック

  1. ゲイルウイリアムズに会ったことあるのですが、小柄でスラリとした感じの人で、横にいた旦那さんのラリーコムスの巨体とは対照的な体型でした。
    私もやせ形で肺活量はごく平均ですが、私の場合は特に吸うほうでは先生方に習ったり名人達の動画を見たりして研究しています。呼吸そのものに加えて、曲のどこでどのようにブレスするかも私にとってはけっこう大切な要素です。
    おかげで、ブレスがよく持つねと言われていますが、肺活量は変わっていません。

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