結論

車を運転する時、運転に集中する。つまり、運転しながら目の前の道路を向こうまで見て適切な対応を続ける、ということだ。そのやり方は、初めは学習して獲得したものだ。その対応は今では準自動的になっていることだろう。ギアを変えたり、ハンドブレーキをかけたりすることは分かってやっていることには変わりないが、意識的に手をグリップの方に持っていってどちらに動かすかなどと考えなくてもよくなっているはずだ。

しかしながら、運転技術をもっと高度なものにまで発達させたければ、あえて自分のやり方を探求し見直して改善を図る必要があるかもしれない。またもし車のメンテナンスも自分でやる必要があるとすれば、いつかはエンジンの仕組みも理解せねばならなくなるだろう。仕組みを知らないままで周りに誰もいなければ、いつか困ったことになるかもしれない。

楽器を演奏する時、あなたは演奏の「運転」と「メンテナンス」両方に責任を持つわけだ。車をメンテナンスせずに運転を続けられれば、それはラッキーなことだ。そしてもし、いつの日か仕組みを理解する必要があると思っているならば、いまから探求を始めるとよい。一旦その仕組みが理解できれば、潜在的問題の可能性を把握しながらエンジンを回し続けていられる。いざ問題が浮上しても、解決法を分かっているわけだし、直し方も分かっていると自分で思っていられる。その安心こそが、あなたが心配なく演奏できるようにさせてくれるものだ。

Singing on the Wind 了

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