プラン B

ゴルフをプレーする人はグリーンに向かう際、ホールへの距離と芝の目を観察する。その次に、ボールを叩く事無く一度試し振りする。実際にパットを打つ前にどのようにそのパットを実行するか、メンタルなイメージを作るのだ。このようなメンタルイメージの使い方は、楽器の演奏にも当てはまる。

メンタルイメージを使う方法は、個々の音程が、それぞれ自体においてそして他の音との関係においてどんな感じがするか、演奏者がメンタルな像を作り上げる学習プロセスを必要とする。つまり、演奏者は自分自身の音の「地図」を産み出すのである。このエクササイズは、それ自体が学習プロセスになっており、この学習プロセスは演奏者が自身の演奏を向上させようと試みる際に伴うものになる。像が明確になるにつれて演奏能力が「意識的」になり、結果的に自分自身の演奏への信頼が大きくなるのだ。理想的には、これが「プランA」と組み合わされるべきであり、そうすることで「心の耳で音を前もって聴く」ことと、身体的な動きを「観察する」ことが同時にできるようになるのである。

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目を閉じてこのエクササイズを心地よい音量で演奏する。
一音目がどんな感じがするか、観察しよう。アンブシュアの筋肉の張りや、顎の位置はどうなっているだろうか。
ファからラまでのスラーがどんな感じがするか観察しよう。アンブシュアの張りがスラーの間にどのように移り変わるだろうか。顎の位置はスラーの間にどのように移り変わるだろうか。
ラの音のアンブシュアの「新しい」張り具合はどうなっているだろうか。「新しい」顎の位置はどうなっているだろうか。
ド?ラ?ファ?ド?ファとこのエクササイズを続けて、ひとつひとつの音でのアンブシュアの張りと顎の位置の移り変わりを観察する。
次に、エクササイズで観察された像を頭の中でリプレイする。
エクササイズをもう一度やってみて、演奏している間、こんどはメンタルなイメージと実際に演奏した感覚を比べる。
再びイメージをリプレイする。そのイメージは、実際のアンブシュアの張りや顎の位置の感覚とどれぐらい近いだろうか?イメージの方を改善することはできそうだろうか?もう一度繰り返して、イメージを改善してみよう。

観察を通して、演奏中に自分が実際にやっていることに気が付けるだけでなく、自身の技術の効率性を向上させることもできるのだ。イメージを通して一つ一つの音程のポジションを他の音程との関連で「地図」を付けているのである。メンタルなイメージの継続的な改善とともに、地図の正確性を向上させる。メンタルなイメージは、「息にのせて歌う」ことを支えるために使われるべきであり、それはもっと正確性をもって演奏することを助けるためである。ただし、メンタルなイメージをつかってゆっくり演奏しないように!プランBはプランAを補完するためにあり、代替品ではないのである。

プランBを使ってエクササイズをやったら、今度は同じエクササイズをプランAを使ってやってみよう。プランBで得られたイメージがプランAを補完する様子を観察しよう。

このエクササイズを半音上げて/下げてやってみて、楽器の全ての音域にわたってイメージ作っていく。

プランBを使って音楽のフレーズを準備するとき、まずはじめに音楽的意図を確立するためにそのフレーズを歌ってみよう。その次にイメージを使ってそのフレーズを読み通し、「技術的」意図を確立する。最後にそのフレーズを音楽的意図に沿って、あなたの「音のコンセプト」を「心の耳で前もって聴いて」演奏する。もしそこで技術的に変えたいことがあれば、代わりに何を意図するのか頭の中で明確なイメージを作るようにしよう。その後で、意図に沿って実際に演奏してみる。

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