金管楽器の指導の世界では
・マウスピースが下の方に置かれ
・マウスピースの中の下唇の割合が高く
・下唇の振動が多い
という特徴のアンブシュアで吹くことを否定し、吹けなくなるほど逆効果をもたらして潰れさせてまでも矯正したがる困った考え方が根強い。
低位置タイプから他タイプへの矯正成功例は、低位置タイプがダメな証明じゃなくて、「自分に合ってるタイプへの変更」の成功の証明なんです。ということは、低位置タイプへの変更や回帰がうまくいく可能性があることを意味するし、実際、成功例もたくさん。
低位置タイプから他タイプへの矯正失敗例は、才能のなさとか向いてないことの証明じゃなくて、「自分に合ってないタイプへの変更」の逆効果の証明なんです。ということは、低位置タイプが合ってるなら低位置タイプでとどまるのがベストな可能性大。実際そういう事例もたくさん。
低位置タイプを見るやいなや否定し将来に対して暗い見通しを述べるのは低位置タイプへの間違った理解、あるいは育て方の理解の無さを示唆している。矯正の成功例があったとしても、失敗例を視野から外すバイアスがかかっている。
矯正の成否は低位置タイプからの矯正の成否ではなく、「自分に合ったタイプの見極めとそこへの適応」の成否であると考えた方が、相対的少数事例を黙殺否定しないで済む。相対的少数でも絶対数は多いのだから!
Basil Kritzer